「恋愛結婚」はいつから「常識」になったのか 私が選んだ「恋愛もセックスもない結婚」【能町みね子×高橋ユキ 対談】

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 最新作『結婚の奴』でゲイの男性と“結婚”し、恋愛感情、性生活一切なしの結婚生活について綴った能町みね子さんと、最新作『つけびの村』で〈山口連続殺人放火事件〉の真相解明に挑むなど、精力的に取材や執筆、そして傍聴ライターとしての活動をしつつ、私生活では1児の母でもある高橋ユキさん。今回はそんなお二人に、結婚について語り合ってもらった。

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お互いの結婚生活について

――2018年に結婚した能町さんと、1児の母である高橋さん。まずは二人の結婚生活、家族との生活についてお聞きした。

高橋 『結婚の奴』を書かれた後の、最近の生活はどんな感じなんですか。

能町 あまり変わっていないですね。猫を飼い始めたことが大きな変化ですかね。

高橋 結婚してよかったですか?

能町 すごく安定していますね。ただ、猫がいることでちょっとだけ仲が悪くなったかもしれない(笑)。子供のいる夫婦も、子供のことで喧嘩になったりするじゃないですか。子供ほどじゃないけど、猫のことで「え?」と思うことが増えるというか。

高橋 どっちがトイレを片付けるかとか?

能町 もともとは私が飼いたいと言い始めたんで、ご飯もトイレも私がやるということにしたんです。だけど、私けっこう家にいないんですね。で、うちの旦那……とはあまり呼ばないのですが、アキラが、私がいないときにあまり猫と遊んであげないんですよ。ちょっと遊んだら邪魔だから3階のごはんとトイレのある部屋に閉じ込めちゃう。かわいそうじゃん!って。だから私が、昔の、たまにしか帰ってこないけど子供がなつく“お父さん”みたいな感じになっちゃってます。

高橋 それはそれでアキラさんが腹がたつかもしれないですね(笑)。でも、それこそが生活という感じですね。

能町 そうですね、本気の喧嘩にはならないですね。高橋さんはお子さんがいらっしゃるなかでこういう仕事ができるってすごいなって…。どう時間を割り振っているんですか?

高橋 最近は夫も協力してくれるようになりました(笑)。子供も小さい時は手がかかりましたけど、今は小学1年生になったので、最近はそうでもなくなってきました。

能町 『つけびの村』のことは知っているんですか?

高橋 ママは『つけびの村』という本を出したんだよ、ということは言ったんですよ。「つけびの村」という字は読めるので、本屋さんに行くと、「ママの書いた本があるよ!」とか言うから「シーっ」って。でも内容についても知りたがるので、「あともう少ししたら話すからね」と言っています。

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