【新型コロナ】大阪コロナホテルは“ウイルスが憎い” 風評被害に迷惑する企業に取材すると……

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 新型コロナウイルスの感染者は、増える一方だ。風評被害も拡大。「コロナ」の名がつく商品を販売したり、社名に「コロナ」を入れている企業は頭を抱えているようだ。メキシコのビール「コロナ・エキストラ」は大幅な減収を強いられ、「大阪コロナホテル」は、『縁起が悪い』『怖い』とツイートされた……。

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 そもそもコロナとは、太陽の外縁にある100万度を超える高温のプラズマガスのことだ。皆既日食の際は、太陽の周りに放射状に輝いて見えるという。ウイルスの外観が太陽のコロナに似ていることから、コロナウイルスと呼ばれているわけである。

 西洋料理店の「コロナ」、米作農業の「コロナアグリ」、「コロナ印刷」、「コロナオイル」、「コロナ音響社」、「コロナカメラ」、「コロナ美容室」……。コロナの名のつく企業はごまんとある。

 中でも、最も大きな風評被害を受けたのは「コロナ・エキストラ」である。このビールの販売・ブランド展開を行う世界最大の酒類メーカー「アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)」は、2020年1月~2月の2カ月で前年同月比で約2億2100万ポンド(約310億1300万円)の売り上げが落ち、深刻な打撃を受けたと発表している。特に中国では、飲食店と一般家庭の両方で大幅に落ち込み、今後も中国全土に渡って収益損失が予想されるという。

 一方、アメリカの広告代理店「5W Public Relations」がアメリカのビール愛飲家737人を対象に行った世論調査では、「いかなる状況でもコロナビールを買わない」と答えた人は38%にも上った。「お店でコロナを注文しない」と答えた人は14%だった。

 日本でのコロナビールの売り上げはどうだったのか。ABIジャパンに取材すると、

「弊社の風評被害については一切、お答えできません」(広報担当者)

 ずいぶんと冷たい対応だった。

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