【新型コロナ】PCR検査の拡大を感染研OBが妨害……「岡田教授」がテレ朝で告発の波紋

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涙声の訴えにネットは騒然

 2月28日、テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(平日・8:00)は新型コロナウイルスの特集を放送した。ゲストは元国立感染症研究所研究員の岡田晴恵・白鴎大教授。最近、彼女をテレビで見ない日はないが、この日は岡田教授がいきなり“爆弾発言”。スタジオが一瞬、凍りついたことをご存知だろうか。

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 番組が始まると、最初はイベント自粛の問題を報道。次に安倍晋三首相(65)が全国の小中学校に臨時休校を要請したことについて、コメンテーターが活発な議論を交わした。

 そして午前9時台から「苦言 新型コロナ PCR検査拒否 医師会 改善要求」という問題を取り上げた。

 この「PCR検査」という言葉は、最近よく耳にする。だが、実際にどんな検査が行われているのかを知る人は少ない。

 新型コロナウイルスに感染しているかを検査する方法は、PCR検査しかないとされている。

 鼻や喉に綿棒を入れ、粘膜を採取。この中に存在するかもしれないウイルスの遺伝子を増やし、陽性か陰性かを調べる検査方法がPCRだ。

 PCRはDNAの増やしたい部分だけを増やし、特殊な装置を使えばDNAの目視も可能だ。新型コロナウイルスのDNAを増やし、それが目で見えたら陽性、いくら増やしても目で見えなかったら陰性、という判定が下る。

 このPCR検査について「モーニングショー」は連日のように報道を続けてきた。

 特にテレビ朝日報道局員であり、この番組でコメンテーターを務める玉川徹氏は、一貫して「もっと多くの人がPCR検査を受けられるようにすべき」と訴えてきた。

 玉川氏の発言は、ネット記事が報じることが多い。これまでの報道を振り返ってみよう。

◆2月14日「玉川徹氏 新型コロナウイルス対策に『PCR検査を希望者全員が受けられるような態勢を早急に』」(スポニチアネックス)

◆2月24日「玉川徹氏 韓国のPCR検査能力1日5000件に『日本の医療態勢が韓国以下のわけが…やってないだけ』」(同)

◆2月26日「玉川徹氏 希望者へのPCR検査に『政府が限っているのであって、できないんじゃない』」(同)

◆2月27日「玉川徹氏 野党提出方針のPCR検査関連法案に『まさか反対しないと…』」(同)

 岡田教授も基本的には同じスタンスだ。

 上の一覧で、スポニチアネックスが2月27日に報じた「玉川徹氏 野党提出方針のPCR検査……」の見出しをご紹介した。

 同紙はこの記事を、岡田教授の名前を使った見出しに変更し、内容の一部も変更して報じている。これもご覧いただこう。

◆2月27日「岡田晴恵教授 PCR検査関連法案に『明日にでもやっていただきたい』」

玉川氏は保険適用のメリットを力説

 このような経緯を踏まえていただき、28日の放送を振り返ってみる。

 まず羽鳥慎一アナが「現場の医師はPCR検査が必要と判断しても受けられない例がかなりある」と、東京都の医師会が指摘していることを紹介した。

 その理由として「保健所が『現状では重症の肺炎患者を優先』という理由から断られたケースが多い」と、医師会は説明したという。

 今も感染の拡大が懸念されている。日本医師会は「医師の判断で検査を確実に実施できるよう態勢強化を」と訴え、加藤勝信厚労相(64)は「来週にも公的医療保険の適用対象にする考え」を示した。

 現在PCR検査を行うためには、医療機関は保健所に申し込む必要がある。そして保健所が必要だと判断した場合に限って、地方衛生研究所が検査を実施している。

 PCR検査が保険適用になると、もちろん検査費用の個人負担分が少なくなる。

 それだけでなく、医師が検査を希望しても保健所に相談する必要がなくなるという。将来的には民間の調査会社への発注も期待されている。もし民間への依頼が可能になれば、検査が可能な件数を大幅に増やすことができる。

 番組は、このように保険適用のメリットを報じていった。

 ところが岡田教授は「たとえ保険適用になったとしても、一般の病院が民間に検査を発注できるとは、新聞記事のどこにも書いていない」といった主旨の指摘をした。

 これに玉川氏は「それは国会で問いただすことになるんじゃないですか。そうじゃないと意味がない」と返す。

 羽鳥アナは「多分、現状はそうじゃないんですよね」と補足する。

 玉川氏は「今までと桁が違うくらい検査件数を増やす」ために政府は保険の適用を決めたと、改めて解説を始める。

 保険で検査費用が安くなり、医師が保健所に相談する必要がなくなる。そうすれば需用が飛躍的に伸びる可能性は高い。

 需用が伸びれば、言葉は悪いがビジネスチャンスだ。PCR検査を引き受ける民間会社も増加することが見込まれ、そうなれば検査が可能な件数が増えるという理屈だ。

 その後も玉川氏は「検査件数を増やすことが、どれだけメリットがあるか」、「偽陽性の問題があるとしても、検査をしない現状より、検査をしたほうが圧倒的に国民の健康を守ることにつながる」などと力説した。

 頃合いを見て羽鳥アナが「なんで岡田先生、こんな(検査の)数少ないのかなって、とこなんですけど」と質問する。

 岡田教授は「あの……」と話し出すのだが、その声が震えていると気づいた視聴者は少なくなかっただろう。

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