青山祐子に竹内由恵…電撃復帰する女子アナたちは「ちゃっかり」か「しっかり」か?

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「ちゃっかり」か「しっかり」か? これからの生き方を考えさせられる女子アナ観

 対する竹内も負けてはいない。退社前の報道によれば、自分のやりたい仕事があると人事権のある上層部に直談判しに行っていたという。その結果、報道をやりたいと言っては「スーパーJチャンネル」から八木麻紗子アナを、スポーツをやりたいと言っては「報ステ」のスポーツコーナーから寺川俊平アナを異動させた、という噂が流れたそうだ。今回の早すぎる復帰も、元スポーツキャスターとしてのオリンピック需要をあて込んだのではないかとも感じる。とはいえフリー転身にあたっては「いつかカフェがやりたい」とあっけらかんと語っていた。退社直前には「飲食店がやりたい」と、飲食店関係者と社内で打ち合わせをしていたという話もある。彼女のこれまでの「成功例」を見る限り、カフェオーナーにもなるのもそう遠い未来ではないだろう。

 青山や竹内の姿を「ちゃっかり」と見るか、「しっかり」と見るか。謙譲の美徳が根づいている日本で、彼女たちの動きに眉をひそめる人はまだまだ多い。でも今や、彼女たちに風が吹いているのが現実だ。誰に何を言われようと、やりたいことにどんどん積極的に手を挙げる。やりたくない仕事や働きたくない職場からはさっさと逃げる。実はそういう損得勘定のできる女性を、「しっかり」と評価するようになるのではないかと思ってしまった。それはいま大人気の田中みな実や宇垣美里、弘中綾香などにも通じるだろう。彼女たちも賛否両論あれど、着実に自分だけのポジションをのびのびと作り上げ、ファンにも囲まれている。

 わかる人だけわかってくれればいい、と地道にひっそり生きるのも誇り高い。でもきっとそれだけでは、彼女たちのような人にどんどん跳ね飛ばされていくだろう。正直くすぶる思いも残るが、いやがおうにも世の中はそうなっていく。実際、今回の青山が抜擢されたセレモニーしかり、先の天皇即位の式典しかり、男性の司会はアナウンサーでなくなぜか谷原章介だ。女性は元NHKのアナウンサーを起用しているのに、である。むしろNHKの男性アナたちこそ、そろそろ怒ってもいい頃だ。青山が相談に乗ってあげてほしいものである。

(冨士海ネコ)

2020年2月28日掲載

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