新型コロナでバラエティ番組は無観客に…… 観客を用意する“仕出し屋”は大ピンチ!

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経営危機に発展する懸念も

 テレビ局からすると、エキストラの出演料に加え、仕出し屋の利益を上乗せしたコストを負担しなければならない。だが、観客の管理を全て任せられるメリットは大きいという。

「1人の観客さんに1時間1500円くらいの時給を払っていました。2時間特番の収録なら3時間半くらいかかりますので、5000円くらいですね。一方、仕出し屋さんは1人に1時間1000円を払っていたようです。差額の500円が会社の儲けということになります。スタッフの立場から言うと、仕出し屋さんに頼めば、観客は時間通り、完璧に揃います。拍手や歓声も息が合っていますし、仕出し屋さんが『厳禁です』と叩き込んでくれているので、出演者の皆さんに『サインをください』と言ったりするようなトラブルもありません。いいことずくめです」(同・関係者)

 観客を呼ぶ費用は決して安くない。しかしながら、観客希望のエキストラをテレビ局で集める労力、不審者を排除する手間の負担は馬鹿にならない。おまけに、仕出し屋に頼めば、事前の教育も行き届いている。こうなると、局としては払う価値のあるコストになるという。

「この仕事に熱意を燃やす女性の中には、『VS嵐』(フジテレビ系列・木曜・19:00)や、『嵐にしやがれ』(日テレ系列・土曜・21:00)の観覧に呼ばれるのを目標としている方が少なくありません。仕出し屋さんに気に入られるため、どんな番組でも声がかかれば必ず出演しているそうです。多分、NHKも民放キー局もテレビ局は全てが観客を呼ぶことを中止すると思うので、彼女たちも悲鳴を上げるでしょう」(同・関係者)

 インターネットをチェックすると、充実した公式サイトを運営している“大手”の仕出し屋を見つけることができる。

 サイトを閲覧すれば、テレビにおける番組制作で相当な役割を果たしていることが一目瞭然だ。しかし業界では、こうした会社の経営を心配する声もあるという。

「芸能事務所が観客の手配もやっている、というタイプの会社なら持ちこたえるでしょうが、業界には仕出し専門という会社もあります。そういうところは『局が観客を中止にしたことで、収益源の大半を失ってしまうのではないか』という声が出ています」(同・関係者)

週刊新潮WEB取材班

2020年2月27日掲載

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