【新型コロナ】クルーズ船“乗組員”の扱いを批判する米メディア 外国人対策の失敗

国内 社会 2020年2月17日掲載

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内閣支持率に影響?

 政府関係者が、次のように明かす。「豪華客船『ダイヤモンド・プリンセス』号の検疫問題に関し、かなりの海外メディアが『日本の対応はおかしい』と、厳しい論調で報じています。これに安倍晋三首相(65)は神経を尖らせているそうです」――。

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 2月17日、午前10時現在、YAHOO!ニュースのトピックスで、ダイヤモンド・プリンセス号に関する最新の状況を伝えているのは、朝日新聞デジタルの記事「クルーズ船の米国人40人が感染『帰国せず日本で入院』」だ。

 記事は《16日深夜、乗船していた米国人の一部がチャーター機で帰国するため下船した》とし、《米国立衛生研究所(NIH)の幹部は、同船を「(感染の)ホットスポット」と表現、乗船していた米国人の約40人が感染していたことを明らかにした》と報じている。(註:デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)。

 16日は日曜だったが、この日のトピックスは各国がチャーター機を日本に派遣するとの記事が目立った。

「香港政府もチャーター機派遣、クルーズ船の330人帰還へ」(読売新聞オンライン)、「カナダもチャーター機派遣、乗船の255人帰国へ…14日以上隔離」(同)、「クルーズ船のアメリカ人帰国用に自衛隊がバス用意」(テレ朝news)という具合だ。

 このダイヤモンド・プリンセス号に関しては7日、産経新聞が「『浮かぶ監獄』海外メディアがクルーズ船乗客の発信を紹介」と報じている。

「監獄」という表現が強い印象に残るが、記事によると《「豪華なクルーズじゃない。まるで『浮かぶ監獄』だ」。仏国際ニュース専門テレビ局フランス24などは6日、乗客の英国人男性がSNSで発信した言葉を紹介した》ものだという。

 監獄と形容されるほど苛酷な環境だとすれば、外国人観光客が相次いで“脱獄”を望むのも当然かもしれない。

 そして日本政府の対応といえば、時事通信が15日に配信した「クルーズ船から米国民退避 チャーター機、16日に日本着」には、次のような記述がある。

《ドイツ・ミュンヘンを訪問中の茂木敏充外相は15日午前(日本時間同日午後)、ポンペオ米国務長官と協議し(略)米国人以外の外国人についても、各国がチャーター機などを独自に手配すれば、早期下船に協力する方針を示した》

“隔離して船内で封じ込め”から“国外退去”へと、日本政府は方針を大転換した。その原因の1つとして――「安倍首相が気にしている」という――海外メディアの報道が挙げられるようだ。欧米の報道に詳しいジャーナリストが言う。

「ニューヨーク・タイムズの電子版は2月10日、“Cruise Ship’s Coronavirus Outbreak Leaves Crew Nowhere to Hide”との記事を報じました。『コロナウイルスが大流行、船内に避難場所のない乗組員たち』という意味ですが、文中には“the Diamond Princess is now a floating, mini-version of Wuhan, China”との一文があります。直訳すれば『ダイヤモンド・プリンセス号は今や、海に浮かぶ小型版の中国・武漢市』です。かなり痛烈な表現で、安倍さんが嫌がるのも当然でしょう」

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