安倍政権最大の危機「カジノ国会」に切り札は… 野党追及の4問題、疑惑の“KISS”

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“芸能人と同じ”

 追い詰められた安倍政権。その一服の清涼剤が、冒頭の小泉環境大臣の“慶事”であったワケだ。

 ところが、

「出産はともかく、『育休宣言』で評価はガタ落ちです」

 と述べるのは、前出の泉氏である。

 小泉大臣が表明した「育休」は、3カ月間の中で2週間分というもの。国会や閣議など重要な公務には出席し、役所で行われる打ち合わせやレクチャーはメールやテレビ会議を通じて行うか、副大臣や政務官に代わってもらう。結果、丸々一日の休みもあれば、時短勤務となる時もある――と説明している。

 しかし、

「進次郎は政治家で、しかも大臣という公職中の公職にある身。民間企業のサラリーマンとは違いますよね。加えて、妻のクリステルは資産が3億円近くあることが昨年の資産公開で判明したばかり。進次郎自身も、父親から政治団体を事実上そのまま受け継ぐなど、資産に余裕がある。実際、妻が出産したのは、都内の産院で『御三家』に数えられるセレブ病院。全室個室で、最も高い部屋は、1泊14万円もします」(前出・政治部デスク)

 国会開幕の前日午後には、ここを小泉大臣が車で訪れ、1時間ほど滞在している。しかも来院の30分前には、病院関係者と見られる人物が周辺をわざわざ見回りに来るほどの“特別待遇”を受けているのだ。

「退院後も、母子は滝クリの実家に滞在するはずで、サポートは万全」(同)

 ゆえに、

「育休の感想を聞かれた自民党の森山国対委員長は“人それぞれでは”と突き放し、公明党の山口代表に至っては、“まずは職員が育休を安んじて取れる環境を整えるのが仕事”と釘を刺した。そもそも環境大臣として目立った実績を上げていませんから、党内からは“結婚や出産を切り売りする芸能人と同じ”との声も出ています」(泉氏)

 慶事が一転、マイナスとなる可能性すらあるのである。

「国会初日の総理の施政方針演説には驚かされました」

 とは前出・泉氏。

「42分に亘った演説の中で、IR疑惑にまったく触れなかったんです。観光立国の目玉なのにありえないことです。『桜を見る会』も、前大臣らの疑惑についても一言もなかった。ひどい話ですが、逆に言えば、総理がそれだけ追い詰められ、余裕をなくしていることの証左と言えますね」

 国会閉幕後の安倍政権は追い詰められた「袋の鼠」か。はたまた茨の道を乗り越え、大山鳴動、とばかりに胸を撫で下ろすのか。

 地雷だらけの「カジノ国会」を乗り切る切り札(ジョーカー)は今のところ見当たらない……。

週刊新潮 2020年1月30日号掲載

特集「大荒れ『カジノ国会』のプレイヤーとジョーカー」より

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