ブルージェイズ「山口俊」、最大の課題は“太りやすい体質“、“契約体重”超えならペナルティも

野球 2020年1月14日掲載

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 巨人からは初となるポスティングシステムでのメジャー移籍によって、山口俊のブルージェイズ入りが正式決定した。ブルージェイズの発表によると、2年総額635万ドル(約6億9200万円)で契約した。さらに、米メディアの報道によれば、1年ごとに最大で140万ドル(約1億5300円)の出来高もつくという。ブルージェイズ関係者のコメントをみると、先発だけではなく、リリーフでの起用も検討している模様だ。

 山口は横浜時代、本来の力を発揮できず先発、ブルペンと状況に応じて投げる場面が変わってきたが、2016年に11勝5敗と先発投手として結果を残し、その年のオフに巨人へFA移籍を果たす。17年6月14日のソフトバンク戦では6回まで投げ無安打得点。後続の投手も安打を許さなかったため、継投でのノーヒッターを達成した。さらに翌年7月27日の中日戦では、史上79人目となるノーヒットノーランを達成している。

 さらに、昨年はエース・菅野智之の不調が続くなか、シーズンを通じて、巨人の投手陣を引っ張った。15勝4敗、防御率.2.91という好成績で、最多勝利、最多奪三振、最高勝率の3タイトルを獲得。さらに、昨秋に開かれた世界大会「プレミア12」では、日本代表としてマウンドに立った。

 では、山口は海の向こうでどんな活躍が望まれているのか。メジャーリーグ極東担当のスカウトは「昨年の結果は関係なく、ブルペンでの役割が期待されているのではないか」と指摘したうえで、こう続ける。

「山口は、シュート回転で右打者に食い込んでくる真っ直ぐとフォークが生命線だ。真っ直ぐで右打者の腰を引かせることができるから、フォークが生きた。しかし、踏み込んで打ってくる外国人打者相手では、真っ直ぐが通用しないことが、「プレミア12」で外国人選手に打ち込まれたことでよくわかった。本来ならもう1~2球、別の勝負球があれば良いが、それを持ちあわせていない現状では、長い回を投げるのは厳しいだろう。フォーク中心の攻め方になると思うので、先発ではなく、リリーフであれば使える可能性はある」

 山口は、広島の会沢翼に対して頭部を含めて、何度も死球を与えたことが話題になった。抜け気味の真っ直ぐは、日本球界では打者の恐怖心をあおる武器となったが、外国人相手には効き目が少ないという分析だ。

 一方、メジャーリーグアドバイザー兼野球アナリストの大慈彌功氏は、山口が直面するであろう“課題”について、こう話す。

「山口は太りやすい体質なので、体重管理も重要な要素のひとつになるでしょう。メジャーでは厳格な体重管理が行われます。体脂肪などの前に、まずは体重を確認され、“契約体重”を超えると、なんらかのペナルティが下されることもあります。かつて、メッツにソ・ジェウンという韓国人投手がいたのですが、前年9勝挙げて期待された年に10キロ以上も体重を増やしてキャンプに入り、激怒したボビー・バレンタイン監督(当時)がしばらく使わなかったことがありました」

 さらに、山口は体重のほかにも、マウンドに上がる前に適応しなくてはならないことがある。大慈彌氏が続ける。

「それは投げ込み数の問題です。巨人時代の山口は、キャンプでかなりの投げ込みをしていました。その結果、完投能力を培って、昨年は好成績を残すことができた。ですが、メジャーでは、そのような調整法は絶対に許されないのです。契約書に多少の投げ込みを許可する項目を入れたとしても、巨人時代ほどは投げ込めないので、調整が難しくなる可能性が高いですね」

 これまでの調整法とは異なる、アメリカ仕様を見つけ出して慣れること。日本人投手には共通することだが、メジャーで結果を出すためには、かなりの神経を使うことにもなるだろう。

「山口はもともとお酒が大好き。良い時も悪い時も、お酒を飲んでリラックスしていた。また、食事の量もかなり多いんです。筋肉もあるだろうけど、プロ入りしてから、かなり太ったんじゃないかな。ストレスが溜まった時がちょっと心配ですね」(山口の若手時代を知るDeNA関係者)

 巨人移籍1年目の17年には酒が絡んだ暴力事件を起こして、球団から出場停止処分を受けたことは記憶にも新しい。事件後、飲み方は大人しくなったとはいえ、山口にとって、最大のストレス解消法であることは変わらない。お酒を飲めば食事もすすむ……コンディションの調整にも影響を及ぼすことも考えられ。多くの“煩悩”にも打ち勝たねばならないが、それに負けずにぜひメジャーで活躍して欲しいものだ。そのためにも、お酒はほどほどに、である。