2019年連ドラ「年間ワースト3」を選出 不作の年で同率1位が7本の異常事態

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もっと知恵と時間を割け

:そしていよいよ、2019年の連ドラワースト3、第1位の発表です。ドラムロールはなし!

●1~3月期・フジ系・木曜10時、「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」
●同じく1~3月期・TBS系・日曜10時、「グッドワイフ」
●4~6月期・フジ系・火曜9時、「パーフェクトワールド」
●同じく4~6月期・TBS系・日曜9時、「集団左遷!!」
●7~9月期・TBS系・火曜10時、「Heaven?~ご苦楽レストラン~」
●同じく7~9月期・フジ系・木曜10時、「ルパンの娘」
●10~12月期・TBS系・火曜10時、「G線上のあなたと私」

アナ:一気に7本ですか!

:2位の4本と同じく、絞り込んでコレなんだよ。

アナ:ただ、林さんが1位に選んだ理由はよくわかります。「相変わらず視聴者を無視する芸能プロダクション先行で不適切なキャスティング」で、2位の選定基準と同じですね。

:ご名答!

アナ:では、2位と1位の違いは?

:視聴者アウトオブ眼中の手前勝手な配役、煮詰め足りてなかったりトンチンカンだったりの企画、低迷した視聴率や評価といった点は共通ながら、主演陣の格、あるいはスター度が違います。こっちのほうが上。竹内結子、常盤貴子、松坂桃李、福山雅治、石原さとみ、深田恭子、波瑠。これだけのメンツ引っ張ってきておいてコレかよ、という話です。

アナ:視聴率をかいつまんで紹介すれば、一番低かったのが松坂さんの「パーフェクトワールド」で6・4%、一番高かったのが福山さんの「集団左遷!!」で10・3%、2桁に乗ったのは「左遷」だけでした。

:期待されてたという全話平均15%に届かなかったという意味ではキムタクの「グランメゾン東京」(10〜12月期・TBS系・日曜9時)も同じ枠に入っちゃいそうながら、これはデイリー新潮に最近書いたとおり、悪いというより残念な作品なのでワーストには入れてません。

アナ:ということは、ワーストトップの7本はそうとう出来が悪かったと……。

:ワタシからするとね。視聴率はよくなくて記録には残らないけれど記憶には残る作品というのがたまに出てくるのが連ドラですが、こと彼らくらいのスターが主演してるドラマの場合、記録と記憶は連動することが多くて、今年で言えば、例外は……「ルパンの娘」くらいかな。レーワ元年の深キョンが「キャッツアイ」スーツを着るっていう底の抜け方は、天晴と言えばアッパレだったし。

アナ:そういうレベルの評価ですか。

:いや、だから、スターダストだトップコートだアミューズだホリプロだの事務所にせよ、フジだTBSだの局にせよ、せっかくのスターを押し出すのならもちょっと知恵と時間を割いたらどうですか、という話。まぁ、スターそれぞれに年齢とか私生活、世間に持たれてる固定観念、その他いろいろ売りにくい事情があることもわからないではないけれど、視聴者はそんなこと忖度しないからね。

アナ:いやぁ、ワースト3に入った連ドラが15本。ドラマの世界は厳しい2019年でした。

:そうとも言い切れないけどね、「民放」「プライム帯」という仕切りを外せば、2019年はむしろ近年にない豊作の年だったかも。

アナ:なんだかボージョレ・ヌーボーの宣伝文句みたいで、ちょっと眉唾にも聞こえますが、豊作というのは、たとえばどんな作品が?

:ドゥルルルルルルルルルルルルルッ!

アナ:おお!

【番外篇につづく】

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年12月30日掲載

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