セブン-イレブンが時短営業で注目の店主に契約解除通知 理由は「日本一クレームが多いから」

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客と喧嘩

 とはいえ、本部に寄せられた客からのクレームは、松本氏が店を始めて今秋までの7年7ヶ月で336件。少々多い気もする。

「お客さんからのクレームは確かにありましたよ。レジ待ちで順番通りに並ばない客に注意したら逆ギレされて、それで『出ていけ!』と言ったこともあります。ちょっと注意しただけで、胸ぐらをつかまれたり、ツバを吐きかけられたり……。喧嘩になったことも何回かありました。元々は、お客さんの方に落ち度があったので、それに対してこちらが注意をしただけです。何もしないお客さんに、『出ていけ!』ということはあり得ませんからね」

 本部は松本氏との契約を継続する条件として、10日以内に本部や客との信頼を回復することをあげている。

「でも、信頼回復するには、具体的に何をしたら良いのかを問うと、何も答えてくれないのです。これからクレームが出ないように、一生懸命頑張りますと言えばいいのか、弁護士と色々相談しようと思っています。これまで来たクレームは、一つ一つ解決していっています。それが改善にならないのでしょうか。それに、契約解除をその10日前に通告するなんておかしいですよ。法的に問題があるのではないか。また、この時期に契約解除の通告をしたのは、元日休業を阻止するためでしょう。本来は時短営業や元日休業を理由に契約解除したかったが、それをやればマスコミから批判されるので、クレームを理由にしたわけでしょうね」

 契約解除となれば、1月1日から商品が納品されなくなるという。松本氏はどうするのか。

「商品はまだ残っていますから、それがあるうちは店を開けておきます。商品が1個になってしまっても、開けるつもりです。店を出すときにした借金はもう返済しています。だから、店を辞めてしまって、はい、さよならでもいいかなと思ったこともあります」

 もっとも、

「せっかく乗りかかった船ですからね、僕が店を辞めると、また24時間営業に戻ってしまう可能性があります。オーナーの中には、人手不足で24時間営業できない店が沢山あります。けれども、それを声に出して言えないのです。一度に1000店が時短を求めて立ち上がってくれたら効果があるでしょうが、そうもいかないでしょう。今後は、コンビニのオーナーが入る労組、コンビニ加盟店ユニオンの方と色々相談しながら、どうすべきか話し合うつもりです。他のコンビニのフランチャイズになるとか、個人商店にする考えは今のところありません。セブンと戦っているのですから、契約解除についても合意するつもりはありません」

週刊新潮WEB取材班

2019年12月23日掲載

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