BTSの推しに寄せていったらいつの間にかインフルエンサーになっていた23歳男性

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 毎晩10時。Kenjiくん(23)は、小さなカメラの前に“出勤”する。

「あーこれで、年内最後のバンタン終わっちゃうんだな~って。大きいステージを生で観れて、俺って幸せだなーって」

「周りの人が韓国あまり好きじゃなくてバンタンを悪く言うって? 俺は言い返すけどね、好きでやってるんだから別にいいじゃん、って」

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「BTSラー」として中居くんと渡り合う

“バンタン”とは、BTS(防弾少年団)のこと。メンバーを彷彿させるゴールドに染めた髪に、BTSが身に着けていたのと同じブラックのパーカー姿。3時間、長い日は5時間、ひたすらBTSをはじめとするK-POPを流しながら語るのはBTSのコンサートの感想とか、かと思えば、お悩み相談に答えたりとか。

 カメラの向こうにいるのは、スマートフォンでKenjiくんを見つめているフォロワーたちだ。その数、なんと約1万人。そう、Kenjiくんは、ライブ配信アプリPocochaで活動する“ライバー”だ。それだけではない。フォロワー24.9万人を擁するインスタグラマーであり、チャンネル登録8.8万人のユーチューバーでもあるのだ。

 今年8月には、中居正広のMCのもと、激変する現代の日本社会に生まれるちょっと変わった価値観を持った男たちを紹介するバラエティ番組「新・日本男児と中居」に出演。「BTSに人生を捧げたらファンが20万人ついた男児が登場!」と注目を浴びた。

 星の数ほど存在するインフルエンサーの中で、Kenjiくんが頭一つ抜けた秘訣とは――。

BTSに寄せて化粧しグッチやバレンシアガ着用

 最初にバズったのは、インスタグラムだった。

「目標がなかった。美容専門学校を中退して、とりあえずカフェでバイトして。親からもいろいろ言われて焦っていた」と、人生どん底だったKenjiくんに、一夜にして転機が訪れたのは、2017年6月のことだ。

「ある朝起きたら、2千人ぐらいだったフォロワーが、1.5万人に。なんだこれ?って。1スクロールしただけで千人増えて、いたずらされてるのかと思いました」

 Kenjiくんが自撮りした投稿を多くのフォロワーを持つ外国人が紹介したのがきっかけ。「V、あなたなの?」「双子?」「VとSUGAにそっくり」と、コメント欄にはBTSのメンバーに似ていることに対する驚きの言葉が韓国語、英語、スペイン語、アラビア語、タイ語などで寄せられた。

「ちょうど友達の影響でBTSにハマり、どんどんのめり込み始めた頃でした」

 7人いるBTSメンバーの中でツボだったのが、低音ボイスでファンを魅了するVだった。

「美しい系のイケメンっていうところに惹かれ、直感でこの人だ、って。なりたい男子がここにいた。目標という感じで好きになったのかもしれません」

「熱中するとその人に寄せる癖がある」というKenjiくんは、子供の頃は仮面ライダーが好きで変身ベルトを集めたり、高校時代はUVERworldのボーカルTAKUYAに憧れて同じ服を買ったりしていたことも。BTSにハマってすぐ、銀座で遊んでいた時に「お前韓国好きだったら化粧のひとつやふたつやったほうがいいんじゃない?」と友達に言われ、三越で化粧品を購入。K-POPアイドルの服や小物のブランドについて載せるサイトをチェックし、服からバッグ、バンダナまで本家と同じ本物のグッチやバレンシアガなどで固めるシンクロぶりだ。

 Kenjiくんはお気に入りのファッションをSNSで紹介する感覚で「VやSUGAのそっくり自撮り」をインスタグラムに上げるようになった。

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