自殺者続出で厚労省が発表「パワハラ指針」に見るマニュアル化社会の愚
お上が「パワハラ」指針という愚の骨頂(1/2)
大企業でも官公庁でも自殺者続出。「パワハラ」対策は今や日本の最重要テーマのひとつという。そこで「お上」が登場した。厚労省はこの度、「指針」として、「パワハラ」の具体例を列挙したが、その中身を見るとため息ばかりで……思考停止、マニュアル化社会の愚。
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人を殴ってはいけません。蹴ってもいけません。物を投げつけてもダメ。仲間外れにしたり、無視したりしてもいけませんよ。
先生がそんな“注意”を子どもたちに与えるのは何歳くらいまでだろうか。中学生はさすがになし。小学生、それも低学年まで、といったところか。そんなことは言われなくてもわかっている、からだ。
しかし、今の日本では、髪に白いものが交じったイイ大人が、「政府」という名の先生から公然とそんな“注意”を受けている。むろん、元々は「パワハラ」を無くしたい、という善意に発している。が、洞察を欠いたままマジメに実行してしまうと、とんだ喜劇が起こってしまうという好例である。
ここ数年、議論が喧しい「パワハラ」問題。全国の労働局に寄せられる相談件数はこの8年で2倍になり、労災認定も10年で4倍に増えた。レスリング、体操といったスポーツ界での告発も相次ぎ、ごく最近では、
「トヨタの社員が2年前に自殺した。その原因がパワハラと労災認定されていたことがこの11月に分かりました」
と言うのは、この問題に詳しいさるジャーナリスト。
「上司から日常的に“バカ”“アホ”“死んだ方がいい”と言われていたのです。また、やはりこの11月、3年前に自殺した神奈川県職員の遺族が県を提訴しています」
こうした一連の傾向に、国は危機感を覚えたのか、この5月、「パワハラ防止法」が成立した。来年の施行に先立ち、厚労大臣の諮問機関「労働政策審議会」は11月20日、「指針」を発表。その中で、「パワハラ」に該当する例を15、該当しない例を10、合わせて25の具体例を提示したというワケなのだ。
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