韓国「東京五輪に旭日旗は禁止を」自粛すべき? 静観すべき?

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赤白縞の服もダメ

 そもそも旭日旗とは大漁旗のほか、出産、節句の祝いなどで長く使用されてきたもので、菅官房長官も会見で「政治的主張だとか軍国主義の象徴だという指摘はまったく当たらない」との見解を表明している。

 組織委も韓国の要望に耳を貸す風はないのだが、日本政府は執拗な韓国の攻勢をかわすべく、今月8日、外務省のホームページ上で旭日旗に関する説明資料の韓国語版を新たに掲載した。

「それでも恐らく五輪開催まで、韓国側の要求は続くと思いますよ」

 と指摘するのは、産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員の黒田勝弘氏だ。

「旭日旗は韓国で『戦犯旗』と呼ばれています。10年ほど前からネット右翼を中心に批判が始まり、やがてメディアも加わっての騒ぎに。いまや赤と白の縞模様の衣装を着た芸能人まで槍玉にあげられるようになりました。この風潮を見て、文在寅政権が外交カードとして持ち出すようになったのです。おそらく五輪本番でも、韓国メディアは血眼になって競技会場で旭日旗を探し回るでしょう」

 さればと、組織委で国旗問題のアドバイザーを務める吹浦忠正氏は“自粛論”を唱える。

「韓国の主張は理がない部分も多いと思いますが、問題を放置すれば、平昌五輪でも見られたように、韓国人が客席で竹島を大きくプリントした“朝鮮半島統一旗”を振り回す可能性も出てくる。対して日本の右派が旭日旗を持ち込むような展開になれば、せっかくの五輪が政治宣伝の場になってしまう。組織委、そして国民レベルで旭日旗の持ち込みを自粛すべきです」

 一方、拓殖大学教授の呉善花氏は静観派だ。

「日本が自粛を求めたりすれば国際社会における威信にも関わります。少しでも譲歩すれば“つけあがる”のが韓国。ホワイト国の除外など日本の毅然とした姿勢で、韓国が日本に畏怖の念を抱くようにもなったことを参考に、日本は冷静に無視の姿勢を貫けばいい。所詮いわれなき要求なのです」

 やはり必要なのは忍耐力。

週刊新潮 2019年11月21日号掲載

ワイド特集「パレードと人生行路」より

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