あおり運転「デマ拡散」で訴えられた豊田市議、“私も被害者”と独特な持論を展開

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「新手の振り込め詐欺」

 俄(にわ)かには頷き難い理屈だが、原田氏は仮定の話と断った上で持論を展開する。

「慰謝料を求める女性と、彼女を犯人扱いした画像を作った人物が、私のような拡散する人間を陥れるために繋がっていたのなら、新手の振り込め詐欺です。もちろん、訴えた女性が関係ないなら本当に申し訳ないけど、そうでないなら私も被害者。拡散した人は大勢いるのに、その中の一人が100万円も要求されるのは、ある種の恐喝だと私の弁護士さんも言っています。恐らく拡散した人間の中で、最も肩書きがあったからだとは思うのですが……」

 そうまで逞しい想像力を、なぜ拡散する前に発揮できなかったのか。大いに疑問は残るが、彼の怒りのボルテージは上がる一方で、こんな主張も口にする。

「最初の画像を投稿した奴を私は名誉毀損で訴えたい。議会や私の事務所には、“刃物を持って議会に行くぞ”という殺人予告を含めた脅迫が相次いでいます。その原因を作った奴が誰なのか、こちらも突き止める必要があります。裁判で私は100万円を請求されていますが、これが確定して私の額が基準となってしまえば、賠償額はサラリーマンなら10万円、学生なら5万と決まっていくそうなので、申し訳なく思ってます」

 憤る余り、謝る相手を見失いつつあるご様子で……。ともあれ、近年多発するSNS被害。これを拡散させる責任の代償はいくらになるのか、相場が作られる要注目の裁判である。

週刊新潮 2019年11月14日号掲載

ワイド特集「稲妻走って『豊凶』占い」より

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