夕方ニュース戦争 カトパン「Live News it!」をホラン千秋「Nスタ」が警戒する理由

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相撲の影響

 高齢者の多い「スーパーJチャンネル」を見ないのは分かる。だが「news every.」や「Nスタ」が若い視聴者層も取り込んでいるのは先に見たとおりだ。わざわざ視聴率の低迷している「Live News it!」を選ぶのはなぜなのだろう。

「加藤綾子さんに男性ファンが多いのは事実ですが、実は30代から40代の主婦層でも、カトパンに親近感を持つ女性が少なくないのです。彼女たちは2009年から始まった『ホンマでっか!?TV』(水曜・21:00)や、12年から16年までメインMCを務めた『めざましテレビ』(平日・4:55)をリアルタイムで見てきました。この層が『Live News it!』を選んだと考えられます」(同・TBS関係者)

 似た例が、日曜朝のニュース番組だという。30代から40代の主婦層は、朝から晴れていると家族で行楽に出かけてしまう。するとM3とF3に人気の高い「サンデーモーニング」(TBS系列・8:00)が視聴率を独占する。

 ところが雨が降ると、行楽は中止。家に閉じこもらざるを得なくなる。普段はテレビをつけない彼女たちは、「サンデーモーニング」ではなく、中山秀征(52)がMCを務める「シューイチ」(日本テレビ系列・7:30)にチャンネルを合わせる。かつて中山がMCを務めていた『ラジかる!!』(05~06年・日本テレビ制作・15:55)や、その後番組の『ラジかるッ』(06~09年・同・9:55)を見ていたからだ。

 季節の変化に加え、NHK総合が放送する大相撲中継も、夕方のニュース戦争に大きな影響を与えるという。

「11月10日から始まった九州場所は24日まで続き、年が明けて1月12日から26日までは初場所が開かれます。“常連客”である65歳以上の男女は、ごっそりNHK総合に移動します。高齢者層の多い『スーパーJチャンネル』の視聴率は確実に下がりますし、『news every.』でさえ2ケタを割ってしまいます。TBSも保守的な視聴者層が多いため、『Nスタ』も苦戦するでしょう。ところが、カトパンを支持する30代から40代の主婦は、相撲に興味のない人が大半です。これは『Live News it!』にとってプラス要因でしょう」(同・TBS関係者)

 ライバル局である日テレ、TBS、テレ朝にとって怖いのは、「カトパンの番組進行が上手になってきた」事実だという。

「番組スタート時は酷いものでしたが、加藤さんも『めざましテレビ』のMCとして生放送を切り盛りした経験を持っています。慣れるに従い、番組が落ちつき始めているのが分かります。大相撲中継などで視聴習慣が壊れた視聴者が、何かの拍子にフジにチャンネルを合わせてしまい、『あれ!? 「Live News it!」ってニュース番組、意外に面白いじゃないか』と感心し、新しい視聴習慣を確立されてしまうことが、ライバル局にとっては最悪のシナリオというわけです」(同・TBS関係者)

 最新の状況では、「スーパーJチャンネル」の数字が下がっているという。メインMCの渡辺宜嗣アナ(64)や林美沙希アナ(29)が、精彩を欠いているとの指摘が出ているようだ。

「テレ朝が減らした数字は、基本的にはTBSの『Nスタ』に流れています。2位争いの枠組みに変化は起きていないのですが、11月4日の視聴率速報によると、『Live News it!』の視聴率が6・3%となっています。上昇気流に乗っていることは間違いありません。カトパンは“夕方のニュース戦争”における台風の目になりそうです」(同・TBS関係者)

週刊新潮WEB取材班

2019年11月12日掲載

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