菅原一秀経産相の元秘書が明かす「ブラック契約書」のあり得ない中身

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トヨマユ超え

 ちなみに菅原氏は、この〈覚書〉は「過去に事務所で使用していたもの」だと弁明。しかし、ある事務所関係者はこう声を潜める。

「最近は秘書に、〈新文書〉にサインさせている。そこには、『代議士に離反した言動をした際はどんな処分も甘受する』旨の内容が記されています」

 何のことはない。単にブラック度が増しただけのようなのだ。豊田真由子氏の元秘書が驚く。

「さすがにうちの事務所でも、そんな奴隷契約のような文書はなかったですね」

 トヨマユ超えの〈ステップ3〉である。さらには、

「『仕事でミスをすると、代議士宛ての反省文を提出させられる』と嘆いている秘書がいた」(別の関係者)

 これが〈ステップ4〉。

 改めて、板倉弁護士が指摘する。

「『どんな処分も……』という文言は、『俺に逆らうな』と読めます。さまざまな企業がダイバーシティや多様性を謳(うた)うなか、経産相が言論統制をするかのように『俺に逆らうな』とは異常ではないでしょうか」

 また、菅原氏のような地位のある人間が、

「労働者に対してこうした文書にサインさせると、労働者側は不当解雇された場合に正当な権利を行使しても仕返しされるのではないか、サインをした以上、不当解雇でも反論できないのではないかと怯(ひる)んでしまいます。心理的な抑圧効果が非常に高い。反省文の提出も、過度な支配―被支配の環境に秘書を置こうとしていると判断されても致し方ないでしょう。高い遵法精神が要求される経産相として不適格と言えます」(同)

 政治アナリスト・伊藤惇夫氏が呆れる。

「中学生じゃあるまいし、反省文を書かせるなんて聞いたことがない。明らかにブラック事務所です」

 政府主導で働き方改革を推進している中での、新閣僚の「働き方改悪」疑惑。改めて菅原氏に問い糺(ただ)すと、〈反省文〉について、

「一般の会社でも行われているものと思います」

 菅原氏の「一般感覚」は、一体どうなっているのだろうか……。

 進次郎氏、そして菅原氏。今国会は、このふたつの「爆弾」によって空転する危険を孕(はら)んでいる。国会が紛糾し、「会議は踊る」事態が出来(しゅったい)してしまうのか。果たして踊るのか、踊らないのか――。元ダンサー大臣の「足さばき」に要注目だ。

週刊新潮 2019年10月10日号掲載

特集「メッキの剥がれ方が凄すぎる 国会空転のキーマンは『小泉進次郎』」より

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