EXIT「兼近大樹」がTBSで犯罪歴を都合よく語る“矛盾” 今後の活動に悪影響?

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イメージダウンの可能性も?

 その1点を除けば、兼近は取材に対して丁寧に、冷静に回答したようだ。記事には以下のようなコメントも記載された。

「正直、いつか絶対バレることなんで、吉本にはずっと話していて。絶対に誰かが気付くんで。それが今、文春さんが知ってくれたっていうことで正直嬉しかったです」

「過去と他人は変えられないんで。未来と自分だけ変えていくんで。ヒュイゴー(Here we go)しましょう、未来に!」

 兼近のコメントで“オチ”が付いたのかと思いきや、記事が出ると所属事務所の吉本興業は強硬な態度を示した。スポーツ報知が9月6日に報じた「『EXIT』の兼近大樹が売春斡旋容疑での逮捕歴を認め謝罪」からご覧いただく。

《所属する吉本興業は同日、公式HPで見解を公表。デビュー前の事件で前科を報道する公益性がないこと、未成年時の前科であること、一部報道に事実でないことがあることから「大変遺憾に考えており、強く抗議するとともに、民事・刑事上の法的処置についても検討して参る所存です」としている。

 一方、「週刊文春」も公式サイトで兼近が当時未成年だったとする主張に反論したうえで「兼近さんが取材に対して、『やっと話せる』『すべてをさらけ出してほしい』と説明されたことを踏まえて、記事を掲載しました。記事は逮捕の過去によって現在の兼近さんを否定するものではありません」などとした》

 こういう経緯を経て、10月2日に「爆報!THEフライデー」が放送された。基本は文春の報道をなぞったものだったが、いきなり2度目の逮捕が「事実」に変わっていた。これが関係者の注目を集めている。

 サンスポ(電子版)が10月4日に報じた「EXIT兼近、2度の逮捕を激白『過去で人を裏切った』 自伝小説も執筆中」は以下のように伝えた。

《札幌で起きた1000万円の窃盗事件への関与を疑われて再び逮捕されていたことも明かされた。母・照美さんの目の前で逮捕されたといい、番組の取材に応じた照美さんは「思い出してもあれなんだけど、玄関で…この子逃げないから手錠はかけないでくれって(言った)。あのときの出来事が一番つらい」と涙ながらに語った。この事件では、10日間勾留された末に不起訴処分で釈放された》

 兼近は文春の取材に「ないっすね。逮捕はされてないです」と断言したのは先に見たとおりだ。それを母が涙ながらに語った、と美談仕立てで報じられても、やはり違和感は拭えないだろう。

民放キー局でバラエティ番組を制作するスタッフは、「率直に言って、大失敗だと思いました」と手厳しい。

「大前提として兼近さんの前科は過去の話であり、償いも済み、更生を果たしたわけでしょう。だからこそ吉本興業は、文春に抗議したはずです。“忘れられる権利”は錦の御旗で、誰も反論できません。しかし今回、吉本興業はTBSの人気番組が取り上げてくれたことを喜んだのか、前科を全面的に伝える番組制作に協力しました。文春に対する『大変に遺憾』という抗議は何だったのでしょうか。窃盗容疑による逮捕を、しれっと認めたことも含め、都合がよすぎますよね」

 東スポ(電子版)も10月5日、「EXIT兼近の逮捕歴の真相全告白に違和感『ドラマ仕立て』『美談にするな』の声も」と報じた。記事中の厳しい指摘をご覧いただこう。

◇窃盗容疑について、番組では「関与が疑われた」とだけ伝え、本人の説明はなく、“沈黙を破り全て激白”とは程遠い内容。

◇兼近がコメントするたびに「え~」と驚嘆する“効果音”付きの再現VTRには「やりすぎ、演出しすぎ」の感が否めない。最後の母からのメッセージにいたっては「ドラマにするのか」「美談にするのはどうか」と厳しい声も寄せられた。

「文春に抗議した時点で、騒動は鎮静化したはずなのです。それにもかかわらず、吉本興業は『寝た子を起こして』しまいました。さらに番組は、兼近さんが犯罪に手を染めてしまった理由や背景、事件の詳細など、掘り下げなければならない点をぼかしていました。一方で、美談にしよう、視聴者の同情を買おうという演出意図は過剰で、反感を覚えた視聴者もいたのではないでしょうか。東スポさんの報道は、決して大げさなものではないと思います」(同・番組制作関係者)

 この関係者は「EXITや吉本興業は、選択ミスを犯したと言われても仕方がないでしょう」と指摘する。

「『爆報!THE フライデー』は2011年から放送されている長寿番組です。爆笑問題の2人がMCを務めている安定感もあります。しかし結論から言うと、あの番組内容だったら、記者会見を行ったほうが良かったですね。EXITの2人の言葉で、報道陣に語りかけたほうが、好感度アップにつながったのは間違いありません。それが番組のせいで、EXITの魅力であるチャラ男のキャラクターにさえ悪影響が出てもおかしくない状況です」

 その兼近は10月4日、Twitterを更新し、「自伝的小説」を上梓することを明かした。やはりこの問題についても、SNS上では賛否両論が渦巻いている。

 いつの間にか兼近が炎上芸人に近いポジションになってしまっている。EXITが披露する普通の漫才やトークをテレビで素直に楽しめる日は、来るのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月14日掲載

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