小泉進次郎が福島で陳謝、風評被害の広め方も「クールでセクシー」?

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原田前大臣が改めて訴える

 先の資源エネルギー庁の担当者によれば、

「処理水を貯蔵しているタンクは、2020年中に137万トン分にする計画ですが、22年夏にはこれが一杯になってしまうといわれています。すると、敷地内に新たにタンクを設置する余地がありません」

 小泉大臣が謝罪した原田前大臣の発言には、そんな前提があったのである。原田氏が改めて訴える。

「私は直接の所管ではないものの、環境行政のトップとして最後に問題提起すべく“海洋放出しか選択肢がない”といいました。私を突き動かしたのは原子力規制委員会の更田豊志委員長、田中俊一前委員長の“これしか方法がない”“安全性は自分たちが責任を持つ”という言葉です。福島への寄り添いも大事ですが、最後は科学的根拠に基づいて乗り越え、万が一、風評被害が起きたら国が責任を持つことにしないと、福島の方々の不安は、むしろ募ってしまうと思います」

 片や、原田氏の「問題提起」について謝罪した小泉新大臣についてだが、

「聞こえのよい言葉で議論をぶち上げて、その後は周囲に丸投げするのが彼の常套手段。また、自民党の大臣なので公言できませんが、原発へのスタンスは、父親の純一郎元総理と同じだと聞いています」

 と先の記者。そんな新大臣に向けて、奈良林氏が苦言を呈する。

「環境大臣になった小泉さんがまずすべきは、職員や専門家からレクチャーを受け、それをすべて理解したうえで、なにができるのか政治家として判断すること。それをすっ飛ばし、福島に赴いて謝罪しましたが、日々発生する処理水を無限に貯蔵することができないのは、だれにでもわかります。かつて、鳩山由紀夫氏が沖縄の普天間基地について“最低でも県外”と発言したせいで、沖縄はいまも混乱が続いています。できないことはできないと言わないと、結局、その地域の人が苦しむことになります」

(2)へつづく

週刊新潮 2019年10月3日号掲載

特集「『韓国』に利用される『小泉進次郎』」より

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