「小泉進次郎」に多くの疑問符 原発発言はポピュリズム、山本太郎氏に売られたケンカは

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ポピュリズム

 田中角栄をしのぐ38歳の若さで閣僚の座を射止め、戦後における男性政治家の入閣最年少記録を更新した彼は、女性閣僚がわずかふたりと「地味」な新内閣にあって、話題性という意味では群を抜いた存在である。

 だが、光が眩(まばゆ)ければその影も濃いもの。光り輝く自民党のスターである小泉氏に対しては、一方で疑問符がつけられている。まずは彼の原発政策だ。

「大臣就任後の記者会見で、小泉さんは原発について『どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい』と述べました。原発ゼロを意識した発言ですが、それに向けた現実的対策を持ち合わせているのかは全く不明です」(前出デスク)

 また、前任の原田義昭環境相が福島第一原発の汚染水について、浄化後の処理水を、

「思い切って(海に)放出して、希釈する以外に、ほかにあまり選択肢がない」

 こう発言していたことを受け、就任の翌12日、福島県を訪れた小泉氏は、

「率直に申し訳ない」

 と、原田氏に代わって勝手に被災地でのお詫びを始めたのだ。しかし、では溜まり続ける汚染水をどうすればいいのかという具体的な提言を小泉氏の口から聞くことはなかった。

 東京工業大学の澤田哲生助教(原子核工学)は、小泉氏の一連の「原発発言」についてこう指摘する。

「原発を減らすとなると、CO2を大量に出す火力発電に頼らざるを得ないのが現実です。つまりCO2を減らすためには、スウェーデンやドイツなど各国で既に実証されているように、原発を上手く使っていくしかない。CO2の削減は環境省にとって最も大きなテーマのひとつのはずです。原発をなくそうとするとCO2は増えてしまうという現実を踏まえない発言は、ポピュリズムの謗(そし)りを免れないのではないでしょうか」

 澤田氏が汚染水に関して続ける。

「福島第一原発の汚染水に含まれるものよりも多量のトリチウムが、現在進行形で世界中の原発や関連施設から毎年海洋に放出されています。科学的に見れば、福島第一原発の汚染水に含まれるトリチウムは、量的にも質的にも問題はなく、それを希釈して海洋放出することも何も問題はない。しかし、『3・11』の事故由来ということで危険であるとのレッテルを貼られてしまっています。これは一種の風評被害であり、科学的ではなく社会的な問題なんです」

 したがって、

「この社会的誤解、不安を取り除くことこそ、政治家の役割なのではないでしょうか。しかし逆に、科学的には問題のない原田氏の発言を小泉大臣がお詫び行脚している。結果的に、社会的な不安を煽る結果につながってしまうと思います」(同)

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