「立川志らく」がTBSの朝の顔に 他局幹部は「全面に出ない方がいい」とアドバイス

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「TBSは今日、死んだに等しいと思います」

 ビデオ問題の原点は89年。「スーパーワイド」の前番組にあたる「3時にあいましょう」の取材班は、坂本堤弁護士がオウム真理教を批判するインタビューを収録。次にオウム側へ取材を申し込むが、交渉の過程で坂本弁護士のインタビューを収録したビデオテープを試聴させてしまう。

 そして坂本弁護士一家殺害事件が発生。坂本弁護士だけでなく、当時29歳の妻と、1歳2か月の長男までもが殺害された。

 95年に地下鉄サリン事件が発生、教団への捜査でビデオ問題も発覚。最初は否定していたTBSも最後は謝罪し、処分を発表したが、世論が許すことはなかった。

「結果、TBSはワイドショーの放送を止め、制作を担当していた社会情報局を解体してしまいます。そして報道部門が仕切るようになりました。とはいえMCの人選は、たとえ報道番組であっても、芸能界や芸術家なども取材対象にしている社会情報局のほうが、一枚も二枚も上手なのです」(同・幹部)

 この時期にTBSが力を入れていたのが、朝の報道・情報番組である「おはようクジラ」(1996~1999)だった。当時は日本テレビ系列の「ズームイン!!朝!」(1979~2001)の一強時代。視聴率は常に20%台だった。

「打倒『ズームイン』を目指したニュース番組の初代MCとして渡辺正行さん(63)が抜擢されたのですが、これは視聴者の評判が悪かったですね。当時の渡辺さんはプレーボーイというイメージも強く、朝という時間帯に合わなかった。98年にリニューアルを行いますが、今度のMCはスポーツライターの青島健太さん(61)で、こちらは真面目だけれども知名度がイマイチ。視聴率がゼロコンマいくつという記録的な低視聴率を記録しました。TBSがおかしくなったのは、この頃からでしょう」(同・幹部)

 こうした過去から導き出される教訓は、「好感度だけでキャスティングすると、えらい目に遭う」だ。

「時間帯が変わっただけでも視聴者の反応が違う。森本毅郎さんという大ベテランでも跳ね返すことはできなかった。視聴者はずっと毎日、そのMCと顔を合わせるのです。それでも飽きないと思わせてこそ、プロのキャスティングです」(同・幹部)

 このライバル民放キー局の幹部によると、「日中のワイドショー」で成功したMCには共通点があるという。視聴者は圧倒的に主婦層が多い。どういう男性が、彼女たちに評価されたのだろうか。

「例えば、現役MCなら『モーニングショー』(テレ朝系列・平日・8:00~9:55)の羽鳥慎一さん(48)と、『シューイチ』(日テレ系列・日曜・7:30~9:55)の中山秀征さん(52)、OBなら『ザ!情報ツウ』(2002~2006)の峰竜太さん(67)に、『ルックルックこんにちは』(1979~2001)の2代目MCを務めた岸部四郎さん(70)という顔ぶれになると思います」

 ニュースを扱う番組なのだが、4人とも“気鋭のジャーナリスト”というキャラクターではない。

「柔らかさと優しさをベースに、どこか弱さや情けなさも感じさせる。イケメンの路線ではなく、気のいいお父さんの路線が大切なんです。そして、これまで多くの芸能人や有名人がワイドショーのMCを担当してきましたが、その中でナンバーワンの適任者は井ノ原快彦さん(43)だったと思います。ご存知の通り、井ノ原さんは2010年から18年まで『あさイチ』(NHK総合)のMCを務めました。あれこそがお手本です」(同・幹部)

 立川志らくは4月18日の「ひるおび!」で、子供を幼稚園に送ってからTBSに向かっていることや、夜のミルクを担当していることなど、子煩悩な日常生活を明かしている。果たして、視聴者は彼を“気のいいお父さん”と思うかどうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月11日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。