佐野サービスエリアで「加藤の乱」社長と永田町大物に怪しい接点

ビジネス 企業・業界 週刊新潮 2019年9月5日号掲載

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 お盆の真っ只中から営業を停止していた栃木県の東北道上り佐野サービスエリア(SA)の問題が、約85キロ離れた東京永田町に飛び火した。火元は、SA運営会社「ケイセイ・フーズ」の岸敏夫社長(61)からクビを宣告された加藤正樹元部長(45)だ。

 加藤元部長が8月24日にフェイスブックへ投稿した文章は、こんな出だしで始まっている。

〈先日、栃木県警佐野警察署に、岸敏夫の犯罪の証拠を提出しました〉

 そこには岸社長が役員を務める片柳建設がメインバンクの群馬銀行を騙し、10億円規模の融資詐欺を企てたとの内容が綴られていた。また、加藤元部長は協力者として片柳建設の元社員A氏の存在を明かしている。

「A氏は、片柳建設の金庫番と呼ばれた男です」

 こう証言するのは、岸社長を知る人物だ。

「片柳建設の主力は公共事業。金庫番だった彼は、岸さんの意向を受けて永田町の議員会館に日参していました。それが実を結んだのか、岸さんは“市長室は顔パスで、首相官邸にも自由に入れる。一度、派手な服を着ていたら官邸の入り口で守衛に止められたので、わざわざ地味な服を買って着替えたんだ”と自慢していました」

 告発文には反社会的勢力との付き合いも詳細に記されているが、永田町で注目されているのは〈政治献金〉の項目だ。加藤元部長は献金の額や時期を明記せず、A氏から聞いたものとしながら、献金先に栃木県議会の元議長や、自民党の古賀誠・元幹事長(79)とその秘書の名を挙げている。そこで古賀事務所に聞くと、

「古賀本人が、岸社長とお会いしたことはありません。数年前、栃木県の有力県議の秘書の紹介で(古賀の)秘書がお会いしましたが、これまで献金も、陳情をお聞きしたこともなく、(告発文の内容は)事実ではありません」

 また、片柳建設の献金先には小泉元首相の秘書官で、目下、内閣官房参与を務める飯島勲氏(73)の名も。告発文では、〈片柳建設の経団連加盟のとき口添えしてもらった。月額100万円払っていると(岸社長が)自慢していた〉と、加藤元部長はA氏の証言を紹介している。飯島氏に尋ねると、

「昨年、信頼できる知人から公共事業を中心に頑張っていると、岸社長を紹介されました。その縁で片柳建設の特別顧問を3、4カ月務めていたので、政治献金ではなく特別顧問としての報酬。銀行口座を確認しないといけないが、1カ月に100万円も貰っていたかなあ。また、経団連の入会条件は説明したが、口利きはしていません。今年に入り、岸社長と幹部が対立しているとの話を聞き、春先に特別顧問は辞めています」

 佐野SAで起きた加藤の乱。政界を大炎上させる一大スキャンダルに発展するのか、それとも線香花火で終わるのか。