安倍応援団が自制利かず「4選」「改憲」へフライング

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 参院選で与党が勝利してから、はや1カ月。辛勝に胸を撫で下ろした安倍政権だが、

「憲法改正が、もう待ったなしなんですよ」

 と政治部記者。安倍総理の総裁任期はまだ2年残っているが、

「憲法改正の国民投票をするには発議後、国民に対して半年間の周知期間を置かなければなりません。安倍総理の任期中に国民投票までやろうとすれば、来年の通常国会で発議するしかないのです」

 しかし、発議や国民投票以前にやっかいなのが、手続法である国民投票法の改正で、

「この秋の臨時国会で改正案が可決されなければ、発議すらできません。6月に閉会した通常国会でも、改正案を審議する衆院の憲法審査会が立憲民主党など野党の反発を受けて空転。選挙の結果、参院の改憲勢力が3分の2を割り込んだことから、野党も警戒を緩めて審議に応じるはずだという楽観論もありますが、そう簡単ではないでしょう」

 だが、改憲への“ブレーキ”となりかねないのは、意外にも“安倍応援団”の面々だという。

「憲法審は会長の森英介衆院議員を筆頭に大半がゴリゴリの改憲論者。9条が機能不全に陥っていると明言して憚らない彼をすげ替えない限り、野党が議論に応じる可能性は低い」

 さらに、

「7月26日、インターネット番組『言論テレビ』に出演した総理側近の萩生田光一衆院議員が大島理森衆院議長の交代に言及。憲法改正を進めるための策略だという声もありましたが、安倍さんの熱心な支援者に煽られた失言でしかありません」

 それでも“応援団”の面々が楽観的なのは、

「安倍4選を見据えているからにほかなりません。臨時国会で国民投票法が成立しようとしまいと、一国会で発議まで漕ぎ着けるのは至難の業。改憲を考えれば4選は既定路線なんですよ」

 暴走列車とならないことを祈るばかりである。

週刊新潮 2019年8月29日号掲載

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