れいわ新選組、衆院選で議席2桁に? 課題は「過去のスキャンダル」掘り起こし

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過去のスキャンダルを

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「安倍政権の政策は『大強富』で、大きく強いもの、富めるものを、より大きく、強く、富ませてトリクルダウンの効果を狙うもの。したがって、野党である立憲や国民民主は、その反対、『小弱貧』をターゲットにしないといけなかったんです。でも、両党とも支持母体は連合。つまり、『小弱貧』にフォーカスしきれなかった。れいわは、既成の野党に飽き、期待感を持てなかった人たちの受け皿になる可能性があります」

 と評価する。

「れいわの命脈は、山本氏の人気やカリスマ性がどのくらい維持できるかにかかっている。れいわは左派ポピュリズムの政党だとよく言われていて、掲げている公約の実現可能性は決して高いとは言えません。しかし、社会的弱者や貧困層にとっては、ある種の期待感を抱ける政策ではあります」

 と分析し、こう予想する。

「細川護煕代表率いる日本新党は1992年7月の参院選の2カ月前に結党しました。その時の当選者はわずか4人。しかし“殿様ブーム”に乗り、翌年の衆院選で35人の大量当選を果たしている。日本新党と同じく、代表の人気やカリスマ性に大きく依拠するれいわは、このままの勢いを保てれば、日本新党と同じくらい、次の総選挙で議席を取る可能性はある。安倍政権を支持する人たちにも、社会的に弱い立場の方たちはいますから、彼らがれいわにシンパシーを抱くことも否定できないですよね」(同)

 日本新党の細川代表はそのあと非自民連立政権で首相の座を射止めた。その意味では不気味な予言にも、ある種の警告にも聞こえるのだが、ともあれ伊藤氏はこう釘を刺すことも忘れない。

「山本氏はこれだけ注目を集めていますから、今後、過去の言動やスキャンダル(隠し子報道)を掘り起こされる恐れがあります。彼がそれにどれくらい耐えられるかで、選挙の行方が決まると思います」

 週刊新潮8月8日号でも触れた通り、山本代表は「3・11」後の風評被害に苦しむ福島の人々の心を踏みにじるような発言を重ねてきた。その事実が帯びる負のオーラは、れいわが大きくなればなるだけ、れいわを包んでいくことだろう。

 れいわ旋風が解散風を煽り、改憲のうねりを生む。その時れいわに残るのは、政治(家)かカネか。あるいは両方か、はたまたその欠片もないのだろうか。

週刊新潮 2019年8月15・22日号掲載

特集「『総理を目指す』という『山本太郎』のもはや笑えない『集金力30億円』!」より

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