全ては10月開始「ドクターX」のため!? テレ朝「開局60周年企画」で異例の再放送

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「サイン」の予算も削減

 テレ朝が平日の午後、『相棒』や『科捜研の女』の再放送で視聴率を稼いでいることを知らない業界人はいない。この関係者も最初は「ゴールデンで同じ手を使ったのか?」と思ったそうだ。だが、しばらくして“ある情報”を掴んだという。

「テレ朝で、ドラマ制作費が払底しているんです。原因は、10月から開局60周年記念として『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』の新シリーズがスタートするためです。主演の米倉涼子さん(44)は、『もう、この作品には出演したくない』という意向を伝えていた。そこでテレ朝は、何とか米倉さんを口説こうと、破格のギャラを提示し、出演交渉を行ったそうです」(同・関係者)

 もちろん、米倉涼子のギャラだけを上げ、他は据え置きというわけにもいかない。おまけに「ドクターX」のキャスティングは、業界では“ドリームチーム”と言われているという。岸部一徳(72)、西田敏行(71)、遠藤憲一(58)、内田有紀(43)――という面々だ。

「直近のシーズン5は17年にオンエアされました。それから2年の歳月が流れたわけですが、今でも人気と実力を維持しているベテランばかりです。更に西田敏行さんは、もともと高額のギャラで知られています。場合によっては、1話で数百万、1クールで億に達するケースもあると言われています。米倉さんのギャラ増額に加え、西田さんの分もとなると、テレ朝は払えない。そこで苦肉の策を考えた。7月期のドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』に出演してもらい、『ドクターX』での増額分を保証したというのです」(同・関係者)

 さらに「サイン」では、「ドクターX」のために、こんなことも……。

「ドラマの制作費を削ると言っても、撮影や編集で生じるコストは基本的に同じです。つまり、手を付けられるのは俳優のギャラしかない。『ドクターX』をSクラスの役者で固めたので、『サイン』はAクラスの大森南朋さん(47)を主役に据え、脇役はBクラスで固めました。こうしてテレ朝は、『ドクターX』の制作費を確保したようです」(同・関係者)

 三顧の礼を尽くして主演してもらう、米倉涼子の意向を無視するわけにはいかない。彼女は第1話で海外撮影を提案しているといい、制作費は膨らむばかりなのだという。

「他局の人間は“そこまで予算をかけて『ドクターX』の新シリーズを制作する必要があるのか?”と疑問視しています。また『ドクターX』は視聴者を飽きさせないため、旧作の再放送は新シリーズがスタートする時だけという取り決めがあります。『相棒』や『科捜研の女』のように昼間の再放送を連発することは不可能で、決してコストパフォーマンスの優れたドラマではありません」(同・関係者)

 とにもかくにも、「サイン」の予算に手を突っ込み、日曜の夜9時にドラマを再放送するという荒技を駆使してまでも、「ドクターX」の制作に漕ぎ着けたわけである。テレ朝の執念は、吉と出るか凶とでるか。もちろん同局の編成担当は「ヒットではなく、大ヒットしてもらわないと困る!」と天に祈っているに違いない。

週刊新潮WEB取材班

週刊新潮 2019年8月19日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。