吉本騒動で「笑ってはいけないSP」が大ピンチ、現場から上がる至極真っ当な意見

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膠着状態に妙手なし?

 スポーツ報知は8月4日、「明石家さんまが宮迫博之の事務所受け入れについて進展なし 吉本騒動語る」の記事を掲載した。

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 その前日、大阪のMBSが「ヤングタウン土曜日」を放送、報知はさんまの発言を紹介したわけだ。

 なんでも騒動の影響で、吉本興業の「上層部がげっそり痩せている」と暴露。「吉本、ダイエット本を出すのかも」なんていう冗談も飛びだした。今のところ、宮迫問題については「とりあえず進展はない」という。

 つまり、裏を返せば、問題は「終息する気配が見えない」と言い替えることもできる。民放キー局で番組制作に携わるスタッフが内情を語る。

「キー局の中で、最も困っているのは、『アメトーーク!』(木・23:15)や『ロンドンハーツ』(火・23:20)を抱えるテレビ朝日です。吉本との関係は深く、10月期でも両番組の継続を発表しました。しかし、再び週刊誌が吉本芸人のスキャンダルを報じるようなことがあれば、吉本芸人をテレビ出演させること自体に世論が厳しい目を向ける可能性があります。そうなると、テレ朝はかなり厳しい状況に追い込まれるでしょう。担当者にすれば、しばらくは“綱渡り状態”が続くことになります」

 だが、テレ朝よりも深刻な悩みを抱えているキー局があるという。スタッフ氏は「日本テレビですよ」と明かす。

「日テレでは、今回の騒動でレギュラー番組の差し替えといった緊急事態は発生しませんでした。編成部が今から頭を抱えているのは、年末年始のラインナップです。実は、毎年大晦日に放送している『笑ってはいけないシリーズ』をどうするかという問題に直面しているそうです」

 番組を中止するのは、ある意味で簡単だ。だが、これだけの人気シリーズの代わりになるスペシャル番組など、そう簡単に制作できないという。

「初めて大晦日に放送したのは2006年、『絶対に笑ってはいけない警察24時』です。それから毎年、6時間台も珍しくない長尺の大型スペシャル番組として、人気を博してきました。特にここ数年は民放の中では断トツの視聴率で、NHKの紅白歌合戦に対抗できる唯一の番組です。更に放送後はDVDボックスとして発売され、その収益も馬鹿になりません。これが吹っ飛んでしまうと、日テレは計り知れない損害を被ることになります」(同・スタッフ)

 日テレとテレ朝が、視聴率トップの座を賭けて死闘を演じているのはご存知の通りだ。

「テレ朝は、米倉涼子さん(44)の人気シリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』が、この秋に復活します。高視聴率は間違いないと見られており、そのため日テレとテレ朝の視聴率競争は、年末までもつれるでしょう。そうなると日テレとしては、是が非でも『笑ってはいけないシリーズ』を放送したい、というのが本音だと思います」(同・スタッフ)

 日テレが最も危惧するのは、「笑ってはいけない」の新作を制作するとなると、100人を超える芸人を出演させなければならないことだという。もし、彼らの1人だけでもスキャンダルが発覚すれば、そのシーンを丸ごとカットする必要が生じる。

「制作上のリスクだけでなく、日テレ局内からは、『もしそんな事態になったら、会社全体のイメージダウンになる』と危惧する声も出ているそうです。なので、今年は放送を見送ったほうがいいのでは、というわけです」(同・スタッフ)

 通常、こういう場合、「安全第一で腰の引けた上層部vs番組制作を要求する現場スタッフ」という対立が生じることはよくあるが、意外にも、現場からも放送に否定的な声が出ているという。

「例の岡本昭彦社長(53)の会見に、藤原寛副社長(50)が出席し、実際に質疑応答に対応したことが問題視されているんです。藤原さんは『笑ってはいけないシリーズ』で進行役を務め、笑った芸人の名前を独特の棒読みで発音し、『アウトー』とナレーションすることで知られています。今年の年末に藤原さんが『松本、アウトー』と言っても、視聴者は笑えない、シャレにならない、と現場は心配しているんです」(同・スタッフ)

 海千山千の制作スタッフだ。騒動が終息すれば、いくらでも笑いに変えられる自信はあるが、膠着状態となると打つ手がない。

「一連の問題がうまく決着すれば、藤原さんも『笑ってはいけない芸人事務所』で出演できるし、冒頭で『お前ら、テープ回してないやろな!』と一発かませばいい。しかしながら、今後も闇営業問題がくすぶり続けるのであれば、それを笑いに昇華するのは至難の業でしょうね」(同・スタッフ)

 結局のところ、日テレ上層部も判断がつかず、この番組企画の立案者でもある松本人志(55)に一任してしまうのではないか、という見方さえあるという。まだ8月とはいえ、残された時間は意外に少ない。さて、日テレはどんな決断を下すのか。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月8日掲載

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