れいわ新選組・山本太郎が自民党から「永田町の特等席」を奪う可能性

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 党首自らが落選しても、満面の笑みを浮かべたのはこの人くらいだろう。比例最多の約99万票を獲得した「れいわ新選組」の山本太郎代表(44)。新たに導入された「特定枠」の候補者2人に議席を譲る奇策で、早くも衆院選への出馬を宣言した。根城は自民党から分捕ると専らの評判で……。

「人道的には、(落選会見を)後日に設定した方がいいですか」

 そう口にした山本代表は、寝惚けまなこの報道陣とは対照的に快活だった。時間は投開票日の翌22日、日付が変わった午前3時頃の出来事である。それから暫く後、未明にようやく落選が決定しても、彼は意気揚々、こう言った。

「山本太郎は議席を失ったが、れいわは大きく前進した」

 実際、選挙戦では「消費税廃止」「反原発」を主張し、結果として比例で約228万票を獲得。政党要件である全国の得票率2%という基準を満たして、既存政党に割って入ったのだ。

「山本代表が東京選挙区に出馬していたら、当選して自民党は1議席を失っていた。それを敢えてせず、比例に回ることで全国の票を集め、発足したての『れいわ』を政党化することに成功したのです」(政治部記者)

 政党として認められると、国会の中に控室が与えられる。いわば永田町に新選組の“屯所”が誕生するのだ。

 議会関係者によると、

「これまでの慣例で、控室の割り当ては政党の規模によって決まります。最大会派の自民党なら、本会議場の入口に最も近い部屋となり、議員数に合わせて広い面積を付与されますが、少数政党になると端へ端へ、狭い部屋に追いやられてしまう。選挙後の部屋替えで、議員たちは所属政党の栄枯盛衰を実感するのです」

 ところが、である。「れいわ」は自民の“特等席”を奪う可能性もあるという。

「当選した『れいわ』の候補者2人は重度の障害を抱えた方なので、参院事務局としても院内のバリアフリー対策を進める準備を始めています。その一環として、控室の場所も本会議場にスムーズに移動でき、大型の車イスが入れる広い空間を検討している。となれば、与党会派が我が物顔で占有していた部屋に白羽の矢が立つのでは、と院内では早くも囁かれています」(同)

 落選しても、前議員なら国会内を自由に通行できる権利もある。赤絨毯を闊歩する山本代表は、永田町の一等地を根城にできるのか。

週刊新潮 2019年8月1日号掲載

特集「戦いすんで『令和デモクラシー』の悪夢」より

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