元モー娘。「市井紗耶香」が参院選に出馬、政治不信を増長させる立憲民主党の責任

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真の政治家と客寄せパンダの違い

 元モーニング娘。の市井紗耶香氏(35)が6月26日に会見を開き、今夏に行われる参院議員選挙の比例区で、「お母さんの代表として」立憲民主党から出馬することを表明した。

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 出馬に批判の声も少なくない。というより、既に炎上していた。電子版のスポニチアネックスは会見前日の25日、「元モーニング娘。の市井紗耶香 参院選に立憲民主党から出馬へ」と報じると、記事の読者などがSNSなどで猛反発。出馬に対して批判的な世論が構築されていた。

 ネット上では妻子ある男性との交際が発覚して問題になった「今井絵理子・参議院議員の二の舞になるのでは?」という意見がかなり目立つ。

 立憲側の狙いは明白だ。参院比例区は全国の有権者を対象とし、なおかつ非拘束名簿式のため“個人名”で投票することが可能だ。

 同じ比例代表制でも、衆議院選挙の比例代表制は拘束名簿式が採用されているため「美空ひばり」と書くことはできない。自民党や立憲民主党などの“政党名”を投票する。

 ところが、参議院選挙の比例代表制は非拘束名簿式のため「美空ひばり」と投票することも、「自民党」と政党名で投票することも可能だ。そのため立候補者の知名度が衆議院選挙以上に重要となる。

 よって芸能人やスポーツ選手などのタレント候補が跋扈しやすいのだ。自民党と立憲民主党の政策は正反対だが、選挙となると似たような候補を出す理由だと言える。

 それでは、立憲民主党から出馬する市井氏と、自民党の今井絵理子参議院議員(35)と、紛れもなくプロである女性参議院議員を比較するとどうなるだろうか。

 全国の有権者に「本当にプロの政治家である参議院議員は誰か」と質問すれば議論百出で収集がつかないだろう。そこで「女性初の内閣官房長長官」として活躍した、森山真弓・元法相(91)を選ばせていただいた。

 2人の“元アイドル”と森山氏がどのように違うか、まずは学歴から比較してみることにする。表をご覧いただきたい。

 市井氏が中卒なのか、高卒なのかは判然としなかった。ただ、「最終学歴は中卒」という記事は相当数、散見される。

 今井議員が卒業した八雲学園だが、満島ひかり(33)、辻希美(32)、高畑充希(27)など多くの芸能人が通っていたことで知られる。高畑は法政大学に進学したが、今井は選挙時も正式な最終学歴として八雲学園を発表している。

 一方の森山元法相は東京府立第三高女、現在の東京都立駒場高校から津田塾専門学校(現・津田塾大学)を卒業。外国語学科だったことから英語力は相当なものがあったらしく、戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)で大学生でありながら翻訳のアルバイトをしていたという。

 その後、東京大学法学部に入学した。同期には著書『タテ社会の人間関係』で知られる文化人類学者の中根千枝(92)がいる。

 次の表は便宜上、「職歴」としたが、結婚や出産の経験も含まれている。まさに「人生」を表す表をご覧いただきたい。

 市井氏も今井氏は離婚を、森山元法相は夫との死別を経験した。2つの表で彼女たちの人生を振り返ったが、有権者が1票を投じたくなる女性候補は誰かと訊かれたら、答えは明白だろう。

 森山元法相は、高校や大学で受けた高等教育、そして官僚としての経験もあり、政治家となる資格は充分だ。だが、市井氏や今井議員は、参院比例区という特殊事情から担ぎ出された“客寄せパンダ”に過ぎない。政治担当記者が言う。

「元芸能人を差別しているわけではありません。ただ、政治家を志す以上は、それに相応しい経歴が過去に存在するはずでしょう。例えば、芸能活動の傍らNPOを立ち上げたとか、社会人入学などで大学や大学院に通い、政治や行政を学んだという具合です。やはり知名度だけを優先して、完全な素人を議員にするのは無責任でしょう」

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