NHK「あさイチ」が大地震の翌日、のん気に腰痛企画を放送 民放からは怨嗟の声

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改元でバカ騒ぎ

 別の民放ディレクターは「いまやNHKはテレ東以下」とまで言うのだ。

「資金も人員も潤沢なNHKが、視聴率稼ぎに走っているわけですからね。先日の平成から令和へと変わる“改元またぎ”の放送など、テレ東だって池上彰さんを立てて真面目に放送していたにもかかわらず、よりによってNHKは、改元の瞬間にバラエティ番組を放送していました」

 4月30日から5月1日へ元号が変わるその瞬間、NHKは何を放送していたかといえば、「ゆく時代くる時代」という番組を放送した。

「平成最後の4月30日、NHKは様々な番組を放送していました。ニュース番組を拡大して退位の模様も伝えました。しかし最も時間を割いたのは、爆笑問題と指原莉乃をMCに立てた『ゆく時代くる時代』。朝から深夜まで3部に分けて、計7時間半も放送しました。一見、『行く年来る年』を思わせる真面目な番組かと思えば、爆笑の2人が大はしゃぎするだけのバラエティでした」(同・民放ディレクター)

 改元直前には「おい、あと15秒だってよ! 令和まで」(爆笑・田中)なんて声が放送されていたのである。

「正直言って、NHKは『チコちゃんに叱られる!』の成功で浮ついているんじゃないですか。あの番組は実質的に、純然たる民放の共同テレビジョンなどが制作しているから上手くいっているんです。NHKの職員が慣れないバラエティを作ったところで、大したものはできません。事実、『ゆく時代くる時代』などは、改元の瞬間の視聴率は全局の中で4位でした。視聴者の中には、厳かに改元の瞬間を迎えようと、チャンネルをNHKに合わせた人も少なくなかったはずです。それなのに、日曜日のバラエティ『サンデージャポン』(TBS)みたいな番組を見せられて、民放に変えた人も多かったと思います」(同・民放ディレクター)

 ちなみに、改元の瞬間の視聴率1位は、「news zero」(日テレ)の拡大版だった。NHKの上田良一会長は、改元番組についてこう振り返っている。

「両日とも食事と散歩以外は録画も含め一日中テレビの前で座ってNHKのニュースや番組の放送を見た。個別のニュースや番組に対する評価は視聴者の判断に委ねるが、全体的な印象としては、幅広いテーマを多角的に取り上げ、お伝えすることができたのではないかと考えている」(5月9日・定例会見)

 これに対し、前出のプロデューサーは、

「バラエティやれば多角化なんですかね。NHKは5月29日に、インターネットへの常時同時配信を認める改正放送法が成立しました。その際、国会では附帯決議が盛り込まれているんですが、もう一度、NHK職員は、それを頭に叩き込んだほうがいいのではないでしょうか」

 今期の国会が求めた、NHKが努めるべき附帯決議には次のような文言がある。

〈協会は、自然災害が相次いでいる現状に鑑み、地震災害、風水害、雪害等、いかなる災害時にも放送・サービスが継続され、正しい情報が国民に伝達されるよう、地方局と連携し、放送設備と体制の強化を図ること。〉(第198回国会承認第1号 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議)

週刊新潮WEB取材班

2019年6月22日掲載

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