日テレVS.テレ朝、「イッテQ」VS「ポツン」に続き“水曜19時の戦い”が始まったウラ

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元祖なのに返り討ち

 もっとも「アノ人」の視聴率は二桁に届かず、「あいつ」に負けることも珍しくないという。

「日テレとしては勝算があったはずです。“今何をしている”のか興味があるのは、一般人よりも有名人、と考えるのは当然ですからね」(同)

 視聴者から“後出しのそっくり番組”と判断された結果では?

「いやいや、むしろ元祖は日テレなんです。95年から07年にかけて日テレは人気番組『あの人は今!?』という特番を年に数回放送しており、他局も追随。この手の番組では本家という自負があるはずです。その後は『ザ・追跡スクープ劇場』(11~12年)、その流れを受けたのが『アノ人』で、当初は特番で放送していました。それを『あいつ』の真裏に持ってきたわけですけど、とにかく『あいつ』と見せ方が似ているんです。かつての『あの人は今!?』は、“捜索”の要素をバラエティ化して、楽しむことができたんですが、今の『アノ人』は『あいつ』と変わらない。ぼ~っと見ていると、どっちの番組なのか区別が付かない時もあります。視聴者が『あいつ』の二番煎じと思われているのなら、日テレにとってはマイナスかもしれません」(同)

 それにしても、これほど似通った番組をぶつけてくるのは珍しいのはないか。

「かつて“土曜夜8時戦争”と呼ばれたことでも知られますが、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』(TBS)にフジが『オレたちひょうきん族』をぶつけました。同じバラエティ番組の戦いではありましたが、『全員集合』はドリフひと組が徹底して練り上げたコントの公開生放送。一方の『ひょうきん族』はビートたけしさんや明石家さんまさんなど人気芸人を集めたアドリブ満載のスタジオ収録。同じお笑いでも、作り方もコンセプトも全く違う。それに比べ、『あいつ』と『アノ人』は同じテイストの番組。こういうケースは聞いたことがないですね」(同)

 だが、仁義なき戦いにも「下には下がある」と言うのは別のテレビマンだ。

「『天才!志村どうぶつ園』(日テレ:土曜19時~)をパクったと言われる『坂上どうぶつ王国』(フジ:金曜19時~)ですが、この番組をどこにぶつけたかと言えば、『超かわいい映像連発!どうぶつピース!!』(テレ東:金曜18時55分~)。パクった番組を、テレ東にぶつけるというのもねえ」

 日テレVS.テレ朝の戦いはまだまだ続く。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月19日掲載

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