「愛子天皇」支持80%に見る秋篠宮家への国民の風当たり

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〈女性天皇、79%賛成〉

 新天皇即位の折も折、共同通信が公表した世論調査の数字である。皇室に詳しいジャーナリストによれば、

「4月半ばには朝日新聞も同様の調査を行い、容認は76%に上りました。仮に皇室典範が改正され、女性天皇も認められるとすれば、その筆頭候補は天皇陛下の長子である愛子さまですから、『愛子天皇』の実現を国民の8割が支持しているということになります」

 ここ20年ほど、この種の世論調査を行うと、女性天皇への賛成は概ね7割超に高止まりしている。

「『男女同権』意識の浸透に加え、現在の皇族において、年若の男性は悠仁さま唯1人。その先に男性皇族が誕生する保証はありません。現行の『皇位継承者は男系男子に限る』という制度を維持する限り、皇室の存続は危うくなる――という“論”が幅広く浸透してきたゆえと思われます」(同)

 近代的な概念とは必ずしも相容れない皇室制度を「男女平等」なる思想で切ることの是非はともかく、こうした世論の傾向は更に強まりそう――と言うのは、さる宮内庁関係者だ。

「秋篠宮家への国民の風当たりが強いのです。いわゆる『小室問題』について、“公”より“私”を優先させるかのような眞子さまのお振舞いと、それを後押しされる佳子さま。これに対して、父である秋篠宮殿下はなすすべがない、といった状況です。そもそもご自身も兄宮に“なるべく早く皇位を譲ってほしい”と急かしていると取られかねない発言をされていたことが先月、報じられたばかり」

 他方の新天皇家は、

「長年の懸案だった皇后陛下のご体調が回復基調にあることに加え、愛子さまも高校3年生に成長され、ご欠席もめっきりと減ってきています」(同)

 こうした両家の現状への国民のまなざしが、皇室制度を巡る議論に影響を与えかねないと見るのである。

 これに対し、

「ムードに流されて、皇室制度の本質を見誤るなど言語道断」

 と警鐘を鳴らすのは、皇室制度に詳しい国士舘大学の百地章・特任教授。

「“愛子さまを天皇に”という議論は、必ず“その次の天皇は愛子さまのお子さまに”という議論に繋がります。すると次の次の御代には、『女系天皇』が誕生することになる。2千年以上の伝統を持ち、126代に亘って継承されてきたわが国の『男系天皇』の歴史を閉ざしてしまうことになるのです。女性天皇に賛成という人のうちどれくらいが、こうした歴史や理論を理解して答えているのか。はなはだ疑問に思います」

 また、先の宮内庁関係者も言うのだ。

「紀子さまは自らが産み育てた悠仁さまから皇統が続いていくことを自負してこられました。仮にも『愛子天皇』ということになれば、それが覆されてしまう。『女性天皇』に好意的な世論調査を見ること自体、心穏やかではないはずですし、その数字が高まれば高まるだけ、雅子皇后陛下へ向ける視線も複雑なものになっていくのではないでしょうか」

 祝賀ムードを一枚捲れば、新聞やテレビが報じない「裏物語」が垣間見える……。ロイヤルファミリーに「令(よ)」く「和(なご)」やかなる日々が訪れるのはもう少し先のことになるのか。

週刊新潮 2019年5月16日号掲載

特集「『令和元年』10の裏物語」より

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