「翔んで埼玉」大ヒットで注目される「さいたまんぞう」の不満 意外な事実を告白

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目標は「紅白」じゃない

――フォーライフと言えば、小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげるらが設立したシンガーソングライター中心のレコード会社。そこからメジャーデューできたわけだが、話題になった「なぜか埼玉」は、なぜか12万枚しか売れなかったという。

さいた:ヒット曲を持っているだけでありがたいのですが、話題になった割りには(売上は)少ないんです。フォーライフは演歌系でないから、売り出し方を知らなかった。営業も1本もやってませんからね。それに発売前からタモリさんが、毎週のようにラジオで流して、「(インディーズでしか)手に入らないから、みんな録音しろ!」と煽っていたんです。レコードを売り出した時には、みんなすでに音源を持っていた。さらに、以前のインディーズ会社は、音源やジャケット写真はもちろん、版権まで丸ごとフォーライフに売り払っちゃったので、ボクには12万枚分の印税は入らなかった……。

――売れていないから音楽番組にも出ていない。

さいた:有線放送では上位に入りましたが、テレビでは「ザ・ベストテン」(TBS)などの音楽番組には出たことがありません。フォーライフは「恋のぼんちシート」に始まり、「なぜか埼玉」、イモ欽トリオ「ハイスクールララバイ」(81年5月)、Sugar「ウエディング・ベル」(81年11月)、わらべ「めだかの兄妹」(82年12月)と立てつづけにコミックソングを出してヒットさせましたが、「ザ・ベストテン」に呼ばれなかったのはボクだけですよ。自慢じゃないですけど、純然たる音楽番組に出たのは10年ほど前の「年忘れにっぽんの歌」(テレビ東京)だけです。

――40年近くを経て、今再び注目される時がやってきた。

さいた:なんとか活かせないかなあ。映画を観た皆さんが「なぜか埼玉」を絶賛してくれるし、YouTubeでも「なぜか埼玉」を見てくれている。もっとも、素人が歌ってる動画のほうがアクセス数は多いんですけどね。ボクに会いたいという人はいないのかなあ。ひと言、「会いたい!」と言ってよ、ホームページには連絡先まで載ってるんだから。

――だが「ヒット曲は時間をおいて、やって来る」とも言われる。

さいた:そこですよ! 古稀を迎えましたが、頭髪以外はどこも異常ありません。これは神様がくれた70歳のプレゼントだと思ってます。狙っているのは、NHKの「紅白」じゃない、テレビ埼玉で毎年元日のゴールデンタイムに放送されている「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」です! 埼玉県民の皆様、よろしくお願いします。

――ボーイズバラエティ協会の会員でもある、さいたまんぞうを、生で見たいという方、3月22、25、29日には、浅草東洋館の高座に上がる予定である。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月17日掲載

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