日韓対立の折も折…過激「反日映画」が公開  “朝鮮人虐殺”描き本国で大ヒット

国際 韓国・北朝鮮

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〈裕仁皇太子の幼名は迪宮(みちのみや)だろ、朝鮮語の意味は“異常な奴”だ〉――そんなセリフも飛び交う。

 2月16日から公開の韓国映画「金子文子(ふみこ)と朴烈(パクヨル)」(イ・ジュンイク監督)の一場面だ。この作品、1923年、関東大震災の混乱時、天皇・皇太子暗殺の企図で逮捕された朝鮮人の朴烈と、恋人で日本人の金子文子による「大逆事件」を題材にした歴史ドラマ。あくまでメインの筋は金子と朴の純愛劇であるが、金子役のチェ・ヒソ始め日本人役の多くが韓国人俳優で、震災時の「朝鮮人虐殺」などの史実も徹底して韓国側の見方で描かれる内容となっている。

 試写を観た記者がいう。

「アナキストを貫く朴、彼に惹かれ最期は獄中死する金子、二人の生涯を追った作品自体は感動的でした。ただ物語の背景で、朝鮮人が暴動を起すとのデマを流したのは当時の日本政府の陰謀だとし、若い日本人が少女を竹槍で刺し殺したり、獄中で主人公を残虐に拷問したりなんて場面のオンパレード。ごく普通の日本人が観ても眉をひそめたくなるはず。根底に“反日”的なものを感じましたね。もっともそれが本国では受け、大ヒットしたようですが」

 韓国での公開は2017年、235万人もの動員を記録した。主役のチェは、この作品で女優賞を総なめ。一躍、人気スターとなった。

 それにしても「徴用工判決」に「レーダー照射事件」と日韓不和の折も折、なぜ今、このタイミングでの日本公開となったのか?

「あまりの過激さに日本の配給先がみな怯(ひる)んでしまったんですよ。ようやくアート系作品を多く手掛ける太秦が手を挙げ、今回の公開となったんです」(同)

 たまたまとはいえ、最悪の時期での公開といえようか。いや考えようでは、日本人の感情を逆なでするには絶好のタイミングとも……。

「賛否両論あるかと思いますが、実際に観ていただき、感じて欲しいですね」(「太秦」小林三四郎社長)

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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