「中居正広」はテレ朝“3時間特番戦略”の犠牲者 放送作家やスタッフからも不満噴出

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中居の懇願を無下にしたテレ朝

 この番組編成に、なぜ「ズルいと批判されてもおかしくない問題点」があるのか。

「普通、午後7時からの番組は、午後7時54分に終わります。そして『ミニ番組』を挟み、再び午後8時から1時間番組を放送する。この繰り返しでゴールデンタイムのタイムテーブルを編成するのがセオリーです。ところが、この流れを毎日やっていると、視聴者の生活習慣に影響を与えてしまうんです」(前出・スタッフ)

 つまり視聴者は、午後7時54分になると風呂に入ったり、チャンネルを替えたりすることが“習慣”になってしまうのだ。

 それをテレ朝は“是正”しようとした。テレビ局の業界用語である「またぎ」の手法を使い、ゴールデンタイム3時間ぶっ通しの放送を行うことで、平均視聴率を上昇させる戦略を採用したのだ。これを「ズルい」、「禁じ手」とする声があるという。

「ズルいというのは、レギュラー番組の犠牲が前提になっているからです。3週間のうち2回は3時間のSP番組で、本当のレギュラー番組は3週に1度の放送です。これではレギュラー番組の視聴が習慣化することは絶対にありません。どんなに熱烈な中居正広さんのファンでも、3週に1度しか放送されないのです。見逃してしまうことが多くなるのは当たり前でしょう」(同・スタッフ)

 中居のファンでさえ見逃すのだから、一般の視聴者が「『身になる図書館』って終わったんだっけ?」と勘違いしてもおかしくない。まさに悪循環だが、その原因を作ったのはテレ朝なのだ。

 毎週放送されていたにもかかわらず視聴率が低迷して終了するのと、ろくにオンエアされずに打ち切りになるのとは雲泥の差だ。

「打ち切りにならなければ、どれだけ飛び飛びの放送でも、中居さんをはじめ出演者も文句は言いません。『視聴率を取るため、弊社の戦略です』と説明されれば納得するでしょう。しかし番組が終了すれば、ひとこと何か言いたくなるのも当然でしょう」(同・スタッフ)

 それどころか、民放キー局の関係者によると、中居は打ちきりになる前から「毎週、レギュラー放送をしてほしい」と懇願していたという。

「少なくとも昨年の1年間、中居さんがテレ朝に頼み続けていたのは確かです。ですが、『編成方針なので』という理由で、いつも却下されてきました。中居さんは不満を抱え、番組が打ち切りになる危機感を持っていました。今回の打ち切りは当然、納得できるはずがないでしょう」

 ちなみに、この3時間SP体制は、中居などの出演者ばかりでなく、制作会社やスタッフにも不評だという。

「1時間番組のギャラは決まっています。日テレでもテレ朝でも変わりません。では、3時間スペシャルはどうでしょうか。理論上は“1時間番組の3倍”になるはずですが、実際は2倍です。私たち現場の人間が3時間SPを制作すればするほど、テレ朝側は利益を得る図式なんです。実質的には人件費と制作費の削減ですから」

「他局の仕事なら1か月で稼げる額が、テレ朝では稼げない」――これは制作会社や放送作家の“共通認識”になりつつあるという。

「ゴールデンタイムに3時間スペシャルを編成することで、視聴率が獲得できるだけでなく、制作費や人件費も削減できる、と考えて立案した戦略だとすれば、もの凄い着眼点と言わざるを得ません。ただ、掟破りの兵法は、必ずしっぺがえしを食らいます。制作会社や放送作家が『やってられない』と離反するのは当然でしょう」

 ネット上では中居正広を擁護する声が圧倒的だが、テレ朝も懸念したようだ。すぐさま『中居がMCを務める新番組を今春開始で準備中』と火消しにかかったが、これはゴールデンタイムの放送ではないという。

「放送時間はゴールデンではなく、週末の昼間で調整、打診しているそうです。これなら3週間に1度のオンエアということはありません。3時間SPがありませんから、毎週しっかりと放送できます」

 しかしながら、これで中居のファンや制作会社、放送作家、そして何よりも中居本人が納得するかどうかは未知数だろう。

週刊新潮WEB取材班

2019年2月5日掲載

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