【アジア杯決勝展望】森保ジャパンはカタールとこう戦えば絶対勝てる キーマンは冨安

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注目は冨安健洋と塩谷司

 このためカタールの得点源を抑えるのは当然の策となるが、恐らく森保一監督はマン・マークをつけることはないだろう。彼は左サイドをプレーの起点とすることが多いため、ゴール前では冨安が対応するとして、ボランチの塩谷や右サイドバックの選手と連動して動きを封じにかかるのではないだろうか。

 UAE戦は前半22分と37分のゴールで早々と2点のリードを奪ったため、その後は守備を固めてカウンター狙いだったことで、カタールの攻撃の全貌を見ることはできなかった。ただ、気をつける選手としてボランチのアシム・マディボ(23番)とトップ下のカリム・ブディアフ(12番)がいる。

 マディボは攻守の要となる選手で、彼が攻撃のスイッチを入れるため、できるだけ前を向かせてプレーさせることは避けたい。ただ、彼にマン・マークをつけてもクレバーな選手なため、マークを引きつけておき味方をフリーにするなど逆に利用されかねない。このため彼のポジションによりトップ下の南野とボランチでケアすることが得策と言えよう。

 そしてブディアフは190センチの長身にもかかわらず、意外と足先が起用で、2列目から飛び出してくる選手である。彼については、まず試合中に見失わないこと。身体を寄せていれば、それほど怖い相手ではないと判断した。

 いずれにせよ、相手をスカウティングしつつも、日本は「まず日本のサッカースタイル」を貫くことが勝利への王道である。互いに連戦も7試合目となり、疲労も蓄積されていることだろう。このためカタールも、イラン同様に開始直後こそプレスをかけてくるかもしれないが、そこは落ち着いて対処し、まずはセイフティファーストのプレーを選択すること。そして相手が引いてカウンター狙いに切り替えたら、じっくりとパスを回し、ワイドに幅を使って攻めつつ、森保監督の狙いとする縦に速いサッカーを織り交ぜて揺さぶればいい。

 アジアの頂点までは、あと1勝。勢いのある両チームだけに、どちらがストロングポイントを先に発揮できるかも勝負の分かれ目になるだろう。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班

2019年1月31日掲載

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