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「都区内」通過で得られる恩恵

 調べてみると、この横浜のようなお得な例が首都圏にはそれこそドーナツ状に存在している。それをまとめたのが掲載の表だ。とかくこの手の説明は煩雑になるが、必要最小限の説明をしておこう。ここでは東京に向かう上り方面で説明する。

 そもそも「東京都区内」行きの切符とは何か。こうした制度は特定都区市内制度といって、全国の大都市を中心に設定されている。この特定都区市内制度がその周辺駅にもたらすちょっとした「恩恵」を知っておいて損はないはずだ。まず、買えるのは東京駅から201キロ以上の営業キロがある駅で、東京23区内のJR駅までの切符を買った場合に限られる。

 例えば仙台駅から王子駅でも東中野駅でも大崎駅でも同額(5940円)だ。この金額は東京駅までの営業距離で算出される金額が基準となっていて、たとえ王子~東京間に乗車しなくても東京までの運賃を払うことになる。逆に上野駅まで新幹線に乗って戻っても同額である。大井町に行く人は東京までの運賃で大井町まで乗車できるということである。

 表は首都圏6方面のうち、東海道方面、千葉方面の「恩恵」駅を金額とともにまとめてある。6方面とは西から東海道線、中央線、東北線、高崎線、常磐線、総武線とそれに付随する線区のこと。東海道方面は仙台発、千葉方面は大阪発を例としている。繰り返すが、「東京都区内」を通過しないとこの恩恵に与ることはできない。

 表の見方を簡単に説明しておこう。駅名の右A欄は仙台駅から各駅までの運賃。B欄は仙台駅から東京都区内までの運賃。C欄は東京都区内の出口にあたる蒲田駅からの各駅までの乗り越し運賃。AとB+Cを比較し、その差額を一番右に示した。遠方になるほど差額は小さくなるが、大船では仙台からの運賃(A)が上がるので、差額が大きくなる。

 神奈川県に入ってすぐの川崎駅では380円の差額があり、これは例えばホームにある「濱そば」のかき揚げそばと同額だ。さきほど私の例としてあげた横浜駅では340円で、ホーム下の「いろり庵きらく」そばで、かけそばをミニカレー丼セットにグレードアップすることが可能になる。

 戸塚駅で70円までに差額が小さくなるが、これとてセブンイレブンのおでんの白滝、こんにゃくに消費税分届かない金額だ。

 大船駅で横浜市内から出るので仙台からの運賃があがると同時に差額もアップ、茅ヶ崎まで「恩恵」が続く。茅ヶ崎ではセブンカフェと同額の100円だ。

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