韓国艦のレーダー照射問題 海自OBは韓国側の弁明を“荒唐無稽であり得ない”と分析

社会2018年12月23日掲載

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中国海軍は故意に照射の過去

 韓国側の説明は不充分で、なおかつ、信憑性や説得力にも欠ける。しかも共同通信の電子版は22日夕、韓国艦のレーダー照射が数分間にわたって行われていたと報じた。

 意図的に照射した可能性も浮上しているわけだが、それでは、「本当は何が起きたのか?」を海自OBに推測してもらった。

「まず考えられるのは、人為的なミスです。韓国側も、その線で日本政府に弁明しているのでしょう。とはいっても、具体的な可能性は、少なくとも私には、なかなか浮かびません。繰り返しになりますが、私の常識では、捜索にFCレーダーを使うことは考えられないので……」

 もう1つの可能性は、はっきりとした意図を持ってレーダーを照射した可能性だ。類似の事件がある。2013年1月、中国人民解放軍海軍の江衛Ⅱ型フリゲート「連雲港」が、海自の護衛艦「ゆうだち」に対して火器管制レーダーを照射している。

 メディアの取材や識者の解説などでは、当時、「中国共産党指示説」と「現場独自判断説」に別れた。いずれにしても、こちらのケースは故意に照射したことが前提になっている。

「反日的な思考を持つ韓国海軍の軍人が暴走したという見立てですが、FCレーダーの運用実態を考えると、レーダーを操作する海兵レベルの単独犯は、まずないでしょう。砲術長などの士官が含まれていると考えるべきですし、艦長の関与が疑われても当然です。ただ、中国海軍のケースと違い、軍上層部や政府の関与はあり得ないと思います。中国共産党にはメリットがあるかもしれませんが、韓国政府にはありません。隣国に敵対行為を働いたのですから、メリットどころかマイナスです」(同・海自OB)

 朝鮮日報(日本語電子版)は22日、「『韓国軍艦艇、火器管制用レーダーで自衛隊機狙った』記事への韓国読者コメント」を掲載した。読者コメントは賛成順に並んでおり、トップは以下のような内容になった。

《日本は自由陣営の友邦であり、親米友邦である。韓国国民は反中・反北朝鮮・親米を望んでいる。友好国にレーダーを照射した親中・親北朝鮮の責任者は処罰されるだろう。政権は変わるから》

 とりあえず韓国海軍や政府を批判するコメントに賛同が集まったようだ。しかしながら、行間に「親北/親米」というような党派性が顔を出すのが、韓国らしいと言える。また保守的な朝鮮日報に寄せられたという要素も大きいだろう。

ただし、朝鮮日報といっても、反日感情を剥き出しにした、過激な悪口雑言も掲載されている。

《韓国軍がレーダー照射をしたのなら、韓国の海域でやったことなのだから、チョッパリ(日本人に対する蔑称〈べっしょう〉)が文句を言うことじゃない!》

 韓国にこうした世論が一定層あり、さらに韓国海軍が面子を重んじて情報開示に積極的ではないことを考えると、真相解明はなかなか難しそうだ。

週刊新潮WEB取材班

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