ゴーン容疑者が通った“焼鳥屋”の食べログ評価は? 庶民派を装うただのドケチ説

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素顔は単なるドケチ!?

 土光氏と同じように、ゴーン容疑者も“コストカッター”として日産の再建を成し遂げた。ところが「ゴーン容疑者の食生活」を辿ってみると、少し気になる点がある。

 ゴーン容疑者は84年、12歳年下のリタさんと結婚する。彼女はゴーン容疑者と同じくレバノンに生まれ、フランスの大学に進学した。そして、このリタ・ゴーンさんは、一時期、都内でレバノン料理のレストランを経営していたのだ。

 先に見た焼鳥屋と同じように、こちらも「ゴーン夫人の店」として注目を集め、最盛期は代官山、元麻布、六本木の3店舗がオープンしていた。06年には月刊誌「メイプル」(現在は休刊)に「世界で一番ヘルシーなレバノン料理を召しあがれ! カルロス・ゴーン夫人、リタさんに学ぶ ゴーン家の食卓」という連載記事が掲載されたことがある。

 レバノン料理は、ベジタリアン向け、ダイエット食として欧米では人気がある。ちなみに連載の最終回で紹介されたのは「モガラビア」という料理。モガラビアとはクスクスを大きくしたようなパスタで、レシピでは鶏の胸肉、ひよこ豆とスパイスを組みあわせており、確かにヘルシーなイメージだ。

 ここまでは全く問題ない。リタさんとゴーン容疑者は15年に離婚してしまうのだが、普段のゴーン容疑者は自宅で美味しい母国の味を楽しんでいたのかもしれない。

 しかし、07年8月号の月刊誌「ZAITEN」に掲載された「『ゴーン家の家訓』は売れ行き好調だが 日産も頭を痛めるカルロス・ゴーン夫人経営飲食店の『お家事情』」という記事には、以下のような記述がある。

〈レバノンで幼いころから戦乱にさらされながら生き延びて来たというリタさん、経営者としての自負心も強そうだ。とはいえ滞日中の夫人の移動などの身の回りのお世話はもとより、什器の搬入や食材の買い出しといった店に関することも含めて日産秘書部の社員が面倒をみているという〉

 この公私混同ぶりは、今回の逮捕容疑を考えれば、まさに“原点”の可能性が出てくる。少なくとも現在、司法記者クラブを持つ大手メディアのリーク報道によると、「日産にプライベートも丸抱えさせた」という点に注目が集まっている。

 ブラジルやレバノンに高級住宅を購入させ、ワイナリーを買い、会長用のビジネスジェットを家族に使わせていた――それはいずれも日産のカネ、という具合だ。「要するに、ただのドケチじゃないか」という報道も、テレビのワイドショーを中心に散見されるようになってきた。

 確かにイメージと素顔が異なることは珍しくない。土光氏も、故郷の岡山県から送られてきた山海の珍味を自宅で楽しむことも多かったという。財界トップとして、高級料亭で食事をすることも珍しくはなかった。

 だが経団連会長になってからも、通勤は公共のバスと電車を利用したのは事実だ。会長出張の慣例だった「前泊2泊3日」を「日帰り」に改めたという逸話でも知られている。

 毎晩メザシだったというのは誇張であっても、やはり清貧の人だった。また母親が「橘学苑中学校・高等学校」の創設者だったことから、社長職などによる収入は相当額が学苑に寄付されていたという。

 一方、ゴーン容疑者が「ワーカホリックな毎日で、食生活は庶民派」というイメージは、日本では事実なのかもしれない。

 しかし16年に再婚した際、パリでは贅を尽くし、ヴェルサイユ宮殿を貸し切って「派手婚」を開いたことは話題となった。フランスやレバノン、アムステルダムでの生活はどうだったのだろうか。我々が驚愕する続報が伝えられても不思議はなさそうだ。

2018年11月26日掲載

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