「イッテQ」ヤラセ報道の余波 注目は総合演出“敏腕プロデューサー”の責任問題

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なぜあんな企画にGOサインが出たのか

「そうなんですよ。あの企画によくGOサインが出たと思います。『イッテQ』の総合演出は日テレのエースと言われるほどの男です。何を思って、あの企画を放送したのか不思議で仕方がありません。97年入局の彼は、まだ40代。『進め!電波少年』でディレクターデビューし、T部長こと土屋敏男プロデューサー(62)の下で育ちました。現在は『イッテQ』はじめ、マツコデラックス(46)の『月曜から夜ふかし』、嵐の『嵐にしやがれ』、宮川大輔の『満点☆星空レストラン』など多くの人気番組を担当しています。レギュラー以外でも内村光良(54)の『うわっ!ダマされた大賞』や過去には3回も『24時間テレビ』の総合演出も担当していました。バラエティの成功で視聴率三冠王となった日テレを牽引してきた立役者と言ってもいいほどです。結局、これまでの日テレの対応は、彼を追い込むことになってしまうことになりかねません」(前出・他局プロデューサー)

 当初、日テレはでっち上げを否定すると同時に、「番組から企画したりセットを提供した事実はない」としていた。しかし、その後の大久保社長の会見ではこれを否定し、「一連の報道で“やらせ”“でっち上げ”などと指摘されているが、番組制作時にはそのような意図は全くなかった」と訂正・謝罪したのだ。これでは、番組スタッフが無意識にでっち上げてしまったかのようにも聞こえる。

「すでに『女性セブン』は他の祭でも存在が確認できないものがあると報じていますし、このままだとイモトアヤコ(32)の“珍獣ハンター”はじめ、出川哲朗(54)、みやぞん(33)の企画などもあら探しをされかねません。また、TOKIO山口達也(46)の問題をようやく払拭できた『ザ!鉄腕!DASH!!』や『有吉ゼミ』といった人気番組だって同様ですよ。大久保社長は、『イッテQ』の責任者の処分を検討する考えも示唆しいるでしょう。そうなれば、番組を面白くしようと一所懸命やってきたスタッフたちだって窮地に立たされます」(同・他局プロデューサー)

 まさに屋台骨がゆらぎ始めているのだ。

「1994年から10年連続の三冠王でもあった日テレですが、最後の年となる03年は、フジに追いつかれつつありました。その時に起きたのが、“視聴率買収事件”です。当時のバラエティ担当のプロデューサーが、ビデオリサーチの車からモニター世帯を割り出し、金を払って視聴を依頼したという事件で、プロデューサーは解雇となり、日テレも三冠王への執着、視聴率至上主義の結果として、猛省しました。いま日テレはテレ朝に追いつかれつつあり、10月は月間での三冠を逃しました。『イッテQ』であんな企画が通ってしまったのも、社内で何か無理が生じているせいかもしれません。だからといって、総合演出に責任を背負わせるのは少し酷な気もしますね。総合演出が生み出し、バラエティのトップに育てた番組なのですから、彼を交代してしまうと番組の色が変わってしまう。そうなれば、番組も長続きしないでしょう。今後、日テレが誰にどういう責任を取らせるかに注目しています」(同・他局プロデューサー)

週刊新潮WEB取材班

2018年11月20日掲載

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