“メイド・イン・ジャパン”が脱線、死者18人… 「台湾鉄道事故」がもたらす日本への波紋

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“メイド・イン・ジャパン”だから救えた?

 万が一、“ヒューマンエラー”ではない原因が生んだ事故だとしたら、どうなるのだろうか。

「例えばですが、カーブで起きた事故ということで、『プユマ号』が採用していた『空気ばね式』の日本の電車の安全性を問う声も出てくるかもしれません。事故を起こした車両で使われていたという空気ばねを使った車体傾斜装置は、JR東海のN700系などに採用されていて、カーブにあわせて車体が傾くことで、速度を落とすことなく曲がれる仕組みです。製造した『日本車輌』からは現地へ調査団も送るそうですが、仮にヒューマンエラーでなかったとしたら賠償金は莫大な金額になるでしょうね。『プユマ号』の車体が、愛知県豊川市の工場から“輸出”される現場を見に行ったこともあります。港までの道程を、台湾のデザインの車両が日本の線路を行く光景は珍しいんですよ」

 もっとも“メイド・イン・ジャパン”だから死傷者数は抑えられた、との見方もある。

「プユマ号の車体は衝撃吸収構造を採用しています。92年に、踏切で立ち往生したダンプカーと列車が衝突し、運転士が死亡する事故が起きたことがきっかけといわれています。構造に“遊び”をもたせ、衝撃を逃がすのです。今回の事故現場を訪れた方が撮った写真がSNSにアップされていますが、進行方向の一部だけが潰れていて、客室部分はひしゃげていない。この構造が威力を発揮した証拠です」

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