「樹木希林さん」遺作は来年公開「エリカ38」 自ら主演に浅田美代子を起用した理由

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浅田の結婚には夫婦で関与

 まさに親子のような会話である。さらに浅田美代子が吉田拓郎(72)と結婚(すでに離婚)する時にも関わっているというのだ。それも夫である内田裕也(78)と共に……。

希林:責任がある。芸能界でアイドルとしてヒットして……。それで望まれて、望まれて結婚したんですよ。私と内田裕也がですね、「しっかり、ちゃんと全うするんだな!」って相手の方に言ったんですよ。

浅田:私がいない時に、吉田さんが呑んでる、よくいる場所に、内田夫妻が行って「どういうつもりなんだ!」と。その頃はロックとフォークで揉めている時期だったから、もう吉田さん的にはロック(裕也氏)が殴り込みに来たと……。

希林:そんなことがあって「大丈夫」って言うから安心してたんだけど、こんなことになっちゃってねえ……。家だけでもって思ったの。ここがあれば追い出されないで済むからね。

浅田:結婚に大反対だった両親を説得してくれたのも希林さん。でも、酷い説得の仕方だったんです。まず母にね、「お母さんね、だってもう美代ちゃんは、ヤラレちゃったのよ」って。やっぱり親はショックじゃないですか。泣きながら「そうなんですか……」って、それで納得したもんね。

希林:しょうがないもん、だって……。

 希林さんが内田と結婚したのは73年10月のこと。1年半で別居状態と言われるが、浅田美代子が結婚するのは77年7月である。別居中の夫と共に浅田の心配をしていたことになる。それほど可愛がっていたということだろう。そんな浅田へ希林さんからの置き土産が、「エリカ38」だったのだ。前出の奥山氏が言う。

「16日にお悔やみに行ってきましたけど、本木(雅弘)さん(52)から、作品のことをよく話していたと言われました。『見たがっていた』と。7月だったか、『エンドロールに【企画・樹木希林】でどうか』と聞いたんですけど、『いやいや、そんなおこがましい。奥山さんの下に、小っちゃく入れてくれればいい』なんて言うわけですよ。でも、『それは違う』と、『歴とした企画者なんだから』って、何とか説得して……。いま思えば、病気は進んでいたのかもしれない。僕が手を引いたこともあったし、『瞬間芸で、元気なふりしてるのよ』なんて言ったこともあった。映画は、ゼロ号試写からどう直っているか、希林さんの頭にはイメージできているだろうけど、完成の確認をしてもらえなかったのが残念でなりません」

 9月17日、希林さんの出棺の際、位牌を手にした娘・也哉子さんのすぐ後ろに、手を合わせる浅田の姿があった。

週刊新潮WEB取材班

2018年9月18日掲載

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