「親なき子」を作り出す生命科学でいいか 山折哲雄氏の解説

国内新潮45 2018年9月号掲載

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 生命科学のこれからが見通せない。それはときに、たしかに明るい顔をみせてきた。けれども不妊治療などの現場では、難しい選択を迫るばかりか、判断に迷う領域を広げてもきた。とりわけ「親」と「子」のあいだに横たわる闇の部分を増大させてきた。体外受精や代理母による出産などはその最たるものではないだろうか。医療技術の進化により、患者の選択肢がどんどん増えていって、ついに親子の関係を法的に制御することができなくなる状況に追いこまれているありさまである。

 過日、世界で初の体外受精児として生まれた英国のルイーズ・ブラウンさん(40)が来日、その元気な姿が大きく報じられた。...

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