臭いものに蓋した「うんこ漢字ドリル」社長 パワハラでスタッフ大量退社

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 シリーズ累計330万部が売れた『うんこ漢字ドリル』。すべての例文にうんこが登場する、まさにタブーに挑んでのメガヒットだったが、それでたがが外れたか。版元の文響社の社長は、社員にパワハラを働き、臭いものに蓋をしていた。

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 学校のトイレで誰かがうんこをすると大騒ぎするほど、小学生はうんこに敏感で、裏返せば大好きだ。だからこそ、「予想もしなかったところからうんこが飛んでくる」「ずっと前からうんこがもれる予感がしていました」なんていう例文が満載の漢字ドリルが、小学生にウケたのだ。

 とはいえ、大昔から忌避され続けてきた排泄物をあえて主役に据えるとは、文響社の山本周嗣社長(41)のアタマは、さぞかし柔軟なのに違いない。

 ところが、この元外資系証券マンの異色の出版人について元社員に尋ねると、意外な声が返ってきた。

「実力主義を掲げる社長は、頑張っている過程は無視し、結果のみで評価します。それはある程度仕方なくても、昨日は怒らなかったことを今日は怒るなど、テンションの上下が激しい。怒り出すと“なんでこんな簡単なことができないんだ”“なんで指示したのと逆のことばかりやるんだ”“(頭が)おかしいんじゃないか”などと、1時間以上やり込められ、反論すると怒鳴られる時間が長びく。ある朝、電話で“この会社と契約しておいて”と言われたので契約すると、翌日“オレはそんなこと言ってない。なんで契約したんだ”と怒鳴られたことも。残業も月100時間以上は当たり前。なのに一方的に基本給を下げられた人もいます。私が勤めている間に、15人以上は会社を辞めましたね」

 4年ほど勤めたという元女性社員の話は、うんこの「日本一楽しい」世界とはほど遠い。ほかの元社員も、

「社長はいつも一部社員をターゲットにするので、周囲も社長に同調して、その人を蔑むようになる。トイレに行くと、“あいつムカつくから辞めさせたほうがいいんじゃない”“会社で首吊ったらヤバいね”とか言いながら、みんなで笑うことも。取引先との初対面の挨拶で先輩に“こいつは仕事ができなくて、こんなミスをするので先に謝っておきます”なんて紹介されることもあります」

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