あの「内柴正人」がキルギス柔道の総監督になれたワケ 関係者が語る

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現地で大歓迎

 再び山田代表の話。

「実は、ウチの道場の練習生の知人にキルギスの元柔道家がいまして、内柴にキルギスで柔道を教えてほしいという話が来たのです。2024年の五輪に向けて選手を強化したい、そのため監督になってほしいということでした。最初は半信半疑でしたが、2月にキルギスに私と2人で行くと、そこでは、現地の柔道関係者が大歓迎してくれました」

 日本では、事件を起こしたことで柔道界から永久追放されているが、拾う神が登場したというわけである。

「その際、将来的には国籍を取って現役復帰はどうかという話も出ました。実際は、本人もできたらいいかなぐらいの考えだと思います。ただ、彼が現地の選手たちに稽古を付けた際に腕前はもちろん、教え方もさすがと思えるほど違っていた。なにより練習をいつまでも止めない、その姿を見た時に、コイツは本当に柔道が好きなんだと思いました」(同)

 本人も同じことを感じたに違いない。その後、数回キルギスに渡り、正式決定。8月から主に男子の指導に当たるという。同じ過ちを犯さないか不安が残るが、

「イスラム教の国ですから、そんなことをしたら大変になると分かっているはず。出発の時は、“死ぬ気で行ってくる”と言っていたぐらいですから、本人も自覚しているでしょう」(同)

 将来、内柴軍vs日本勢が見られるかもしれない。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

ワイド特集「台風一家」より

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