「アルプス電気」が狙われた世界一獰猛な「ハゲタカ」ファンド

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 今や総額で350兆円、世界中のマーケットで蠢くヘッジファンドは日本でも不気味に存在感を増している。最近も経営危機に陥った東芝にいち早く投資したり、創業家との確執で揺れる出光興産と昭和シェル石油の株を買い集めるなど、日本企業は隙だらけに見えるのだろう。

 目下、そんな“ハゲタカ”のターゲットになっているのが老舗の電子部品メーカー・アルプス電気とその関連会社「アルパイン」だ。

 証券会社の幹部が言う。

「アルプス電気はアルパインと株式交換を行ない、来年1月に経営統合する予定です。ところが、香港のオアシス・マネジメントがアルパイン株の約9%を取得、買収条件を2倍近くに引き上げるように求めてきたのです」

 要求通りにすれば、百数十億円がオアシスの懐に入る計算になる。6月に開かれたアルパインの株主総会では、かろうじてオアシスの要求は退けられたが、経営統合を決める12月の臨時株主総会までは予断を許さない。

 さらに、ここに来て登場したのがアメリカのエリオット・マネジメント(以下エリオット)だ。同ファンドは7月にアルパイン株の約5%を取得、さらに買い増して6・3%の大株主になったのだ。

「エリオットはさらに手ごわい相手。何しろアメリカで最も獰猛なヘッジファンドとして知られているのです」(同)

 同ファンドの創設者は、弁護士のポール・シンガー氏(73)。主に財政危機に陥った国の対外債務に投資することを得意としてきた。

 米国在住の金融関係者によると、

「デフォルト(債務不履行)になった国債などを格安で買い集め、元本と金利、遅延損害金など、投資額の何倍もの金を取り立てるのです。餌食になった国としてペルー、コンゴ共和国、ギリシャ、アルゼンチンなどが知られています」(同)

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