松坂大輔が遂げた“華麗なる復讐” 古巣への憤慨

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 ドラマ「モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―」は、巨万の富を得た主人公が復讐に燃えるというストーリー。では、年俸が96%減となったこの男は――。

 松坂大輔(37)。思い返せば、3年総額12億円で遇されたソフトバンクでの登板はたった1度で、その試合も1回5失点と大炎上。ファンから“給料泥棒”と揶揄されたものだが、

「松坂にとってはむしろ逆でした。彼は、自らを給料泥棒に仕立てたソフトバンクに憤慨していたのです」

 と大手紙デスクが明かす。

「投げる準備は何度か出来ていたのに、1度しかチャンスを与えられなかった。しかも契約満了時、育成選手またはコーチ兼任での延長を打診され、出番をさらに狭めようとした。もっともソフトバンクからしたら、彼より優秀な投手はいくらでもいるし、破格の年俸を払っているのだから、恨まれる筋合いはないのですが」

 ただ、今季のソフトバンクは故障者が続出している。

「もし松坂が残っていたら、彼にも出番が回ってきたでしょうに……」(同)

 中日に移った松坂は年俸1500万円と急降下。だが、ドラ番記者によると、

「代わりに森監督は松坂に最大限の配慮をしています。登板日は本人の希望を聞き、当日の調整も本人の自由にさせています。それでも誰も文句は言いません。絶対的コマ不足の中日では松坂も立派な戦力。事実、規定投球回数未満ながら防御率2・41(6月11日現在)と、先発2番手の数字を残しているのですから」

 そんな因縁の両者、松坂vsソフトバンクが6月8日、ナゴヤドームで実現した。

「ソフトバンクの工藤監督はやりにくそうでしたね」

 と先のドラ番記者。

「松坂はセットポジションで脚より先に腕が動く癖があり、よほどの鈍足でない限り、盗塁し放題。むろんソフトバンクも知っていますが、再三走者を出しながら盗塁はしませんでした」

 負い目があったか。結果、5回1失点と粘投した松坂が復讐の勝ち星を挙げた。

 オールスターファン投票の中間発表でも堂々の1位に立っている“平成の怪物”。次なる舞台は、平成最後のオールスターである。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

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