塾選びは「志望校を決めてから」単科塾も視野に――絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」

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絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」――和田秀樹(3)

 最終回となる本稿で取り上げるのは、“最後の砦”大学受験である。なんとなく……で塾に通わせ、授業料が消えてゆく、という事態を避けるためのポイントとは。

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 最後に大学受験だが、高校受験までと違うのは受験科目数を選べることだ。東大など国公立大学を目指すなら、センター試験対策を含めて万遍なく面倒を見てくれる塾もいい。だが、たとえば私大医学部なら、英語と数学、それに理科2科目で、英数の合計と理科2科目の合計を同じ配点にしている大学もあり、その場合は理科に特化した勉強をしたほうが有利だ。大学ごとに問題の難易度も千差万別。志望校を決めてから塾を選ぶのが筋だと思う。 

 また大学受験塾は、塾自体に特徴があるところが多い。同じ東大を目指すのでも、理系なら駿台予備学校、文系なら河合塾とよくいわれるが、実際、これらの予備校には受験オタクの講師がいるのがいい。河合塾の日本史の講師など、よく入試問題を的中させている。

 中高一貫校の中学生にもいえるが、単科塾を利用するのも手だ。一つの科目に特化した分、本質を身につけながら成績を伸ばしてくれる。英語なら平岡塾などが有名で、国語も「ニルの学校」という塾がある。国語が苦手な子をできるようにするのは難しいが、ここは成績を上げてくれる。

 いずれにせよ、隣の子が通っているからという理由で通うのではダメ。この大学に合格したい、この科目を伸ばしたい、と目的をハッキリさせるべきだ。入試に難問が出る大学を目指すなら、原理から考えさせる数学や理科、英語の多読が特徴のSEGもいいが、そうでなければ、必要以上に難しい問題ばかりを解くことになってしまう。

 一方、数学でも思考を重視するSEGで学べば、将来も役に立つ。塾は点数をとる“技術”を教わるところだと思われがちだが、現実には学校教育がダメななかで、わからないことをしっかり理解し、数学的発想を教わる、という場でもある。そのうえでの入試対策だ。学校のいいなりに勉強して浪人し、予備校で一からやり直すのでは効率が悪すぎる。苦手科目があれば、まず講習などに参加し、その塾が活用できるかどうか試してみるといい。

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