大杉漣さん、異変から4時間で急逝… 考えられる2つの病

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急性心筋梗塞か大動脈解離

 今回、死因とされている急性心不全について、近畿大学医学部講師の榎木英介氏は、

「急性心不全はなんらかの理由で心臓が動かなくなった状態を指し、その原因となったほかの疾病があります。厚労省の指導で、死亡診断書には心不全以外に、原因となった疾病も併記することになっています」

 そう語ったうえで、考えられる疾病の名を挙げる。

「腹痛があったというので、急性心筋梗塞か大動脈解離の可能性が高い。前者の場合、本来の疾病箇所と異なる場所に痛みが出る放散痛や関連痛が、腹部付近で起きたと考えられます。後者なら、大動脈解離が腹部付近で起きた可能性です。ただ、急性心不全の原因は心筋梗塞が一番多いので、今回については心筋梗塞だと思われます」

 一方、河村循環器病クリニックの河村剛史院長は、

「逆行性の大動脈解離だった可能性が高いと思う」

 と、こう続ける。

「心臓は大量の血液を大動脈に流しています。大動脈壁は内側から3層構造で、内膜に裂け目ができて中膜に血液が入ると、新たな血流の道ができてしまう。これが大動脈解離で、心臓より下の腹部大動脈などで内膜が裂けると、血流の一部が心臓方向に逆行する。この場合、お腹から痛みを訴えることが多いのです」

 それに加えて、

「搬送されて亡くなるまで3、4時間というのは、血流が逆行して外膜まで破れ、血液で心臓が圧迫され、死に至るまでの時間として妥当です」

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