10万円が1兆3757億円に… 過熱する仮想通貨ブーム、その問題点

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過熱に問題は

「芸能界でも、とりわけお笑い芸人が仮想通貨にのめり込んでいます」

 とは、スポーツ紙の記者である。

「ダウンタウンの松本人志やロンドンブーツの田村淳もビットコインなどに投資していることを明らかにしている。また、藤崎マーケットのトキは預金全部をコインチェックでネムに投じ、“現時点の所持金は6万円と交通系ICカードの残高だけになってしまった”と憤慨していました。お笑い芸人に広がったのは、サイドビジネスに熱心なたむらけんじが、仮想通貨の布教活動をしたからです」

 国から保証されるわけでもない仮想通貨が、これほど過熱することに問題はないのか。

 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問の野口悠紀雄氏の話。

「ビットコインをはじめとする仮想通貨は、非常に少額な送金ができ、そのうえ、送金手数料がほぼゼロというところで、革新的なシステムだと言われていた。ところが、ブームのせいで取引量が増加したことに伴い、送金手数料も跳ね上がりました。銀行振込よりも割高で、もはや投機の対象以外には利用価値がなくなってしまった。価格高騰は、仮想通貨の利点を殺してしまっています。早急に、投機的要因を排除するシステムづくりが必要です」

 いまだかつて、去らないブームがあった例しはないのである。

週刊新潮 2018年2月8日号掲載

特集「なぜか安泰 580億円盗まれたコインチェック『27歳社長』の現預金460億円」より

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