預けているだけで金をとられる!? 「口座維持手数料」導入にメガバンク秒読み

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地銀や第二地銀も

「まずは、“休眠口座”が対象になるでしょう」

 こう語るのは、メガバンクの中堅幹部だ。

「休眠口座は原則10年以上取引がなく、預金者と連絡がつかないのが条件。この口座から手数料を徴収しても、反発の声はそれほど大きくないでしょう」

 休眠口座に残る預金は、毎年850億円以上。最終的に雑所得として銀行の“懐”に入ることが批判され、数年前から国庫移管が議論されているはずだが、

「りそな銀行がすでに“口座管理手数料”の名目で、2年以上取引がなく、残高が1万円未満の休眠口座を対象に年間1296円を徴収しています。休眠口座の預金の国庫移管が決まっても、りそな銀行と同じように徴収すればいいのです」(同)

 預金者からの反発を承知で、いずれメガバンクがすべての口座から手数料を取るのは確実だ。経済ジャーナリストの福山清人氏がいうには、

「実は、口座維持手数料の導入を渇望しているのは、メガバンクより地銀です。人口減やマイナス金利政策などの影響で預金と融資の利ザヤで儲ける従来のビジネスモデルは破綻し、金融庁の試算ではすでに地銀の過半数が赤字に転落している。そこで確実に収益に繋がる口座維持手数料の導入を急いでいるのです」

 金融庁や日銀の幹部も、昨年から“導入容認”と取れる発言をしている。

「地銀が先陣を切れないのは体力がなく、影響の大きさを測れないからです。メガバンクでの実施後、地銀だけでなく、第二地銀も導入に追随するでしょう」(同)

 お客様ファーストの金融機関が、預金者無視で“禁断の果実”を口にする。しっぺ返しはこないか。

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

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