向かうところ敵だらけ… 故・野村沙知代さんの「経歴詐称」「脱税」「若返り整形」

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裏金欲しさに

 案の定、99年には、浅香がサッチーを東京地検に告発するに至ったわけだが、

「96年に衆院選に出て、“コロンビア大学留学”と経歴詐称した、と沙知代さんが浅香さんに告発されたとき、私が担当検事でした」

 と回想するのは、前衆議院議員で元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏である。

「沙知代さんには3回くらい事情を聞きました。英語力を確かめるため、2カ国語放送のニュースを流して内容を尋ねたりして、沙知代さんは毒舌や非礼な態度もなく、 粛々と質問に答え、悪びれた様子もありませんでした。コロンビア大学に在籍の事実確認をし、記録はありませんでしたが、留学には“駅前留学”など広い意味があるので、経歴詐称とは断定できず、不起訴処分になりました」

 そして若狭氏は、

「沙知代さんは脱税のときは、いろいろ強気な態度を取ったりしていましたが」

 と加える。ご記憶のように、サッチーは01年12月、法人税と所得税2億円超を脱税したとして逮捕されたわけだが、実は、元はと言えばこれも浅香の告発がきっかけだった。

 経歴詐称が不起訴になったとき、サッチーがオーナーを務めていた少年野球チームの港東ムースの父母たちが、東京税務局に彼女の税務調査を依頼したのだ。当時、「被害者の会」の一員は本誌に、

「とりわけ許せないのは、彼女が裏金欲しさに子供たちの意思を無視して勝手に進学する高校を決め、それに従わない子供たちの進路妨害をしたこと。さらに、チームを喰い物にして、会計処理をごまかし、多額の不正蓄財を行なっている可能性があることです」

 と訴えていた。また、

「知らないうちに僕がオフクロのペーパー会社の役員にさせられ、国税局から、まるで脱税の片棒を担いでいるかのような疑いをもたれていたのです」

 とは、国税局から国際電話を受けたサッチ―の次男・ケニー野村氏の当時のコメント。実子たるケニー氏の国税局への協力もあって、サッチーはお縄となり、 懲役2年、執行猶予4年の有罪判決と相成ったのである。

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